窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

最終回「希望」

雑感

秀頼が生まれたあたりから、本格的に「どうでもいい」と感じるようになったのだが、話としてはここから面白くなるはず、これから盛り上がるはずと夢のような期待をしつつ、結局最後まで見通してしまった。

細かい部分はともかく、全体を通して一言でいえば、ペース配分が無茶苦茶だった。子供時代が異様に長く、10回を過ぎてもまだ10歳にもならず、24歳の上野樹里が6歳から延々と演じ続けるという異様な事態が序盤の話をおかしくしていたし、市が死ぬあたりから、秀吉が覇権を握り、秀頼が生まれるあたりまでも恐ろしいほどスローペースで、あれ、お江って、来年も続くんだったっけ? と本気で考えたくらいである。

当然のことながら、皺寄せのくる終盤では、粗筋を紹介するようにエピソードが詰め込まれるから、盛り上がりも何もあったものではない。そんな中で江はこれといった役割を与えられず、秀忠のつぶやきに「え……?」とか「××、……でございますか?」と突っ込んで説明を求めるという、狂言回しのような役目だけを果たすことになり、そのためどんどん存在感が希薄になっていった。

大坂の陣が終わったところで、残り3回。こうなったら静も幸松も出てこないかと思ったら、最終回でいきなり幸松登場(静は登場せず)。ようやく大奥作りに着手するも、番組は終了間近。秀忠と「結婚して30年経ちましたねえ」というセリフが唐突に出てきて、してみると顔は若いまま変わらないがもう江も56歳か。調子こいて馬に乗っている場合ではないではないか。

というように、感情移入もできないまま終わったのだった。史実だとその翌年に死ぬのだが、特にそういう暗示もなかった。

僕が思うに、第一回が佐治一成との結婚式でも良かった。まあ、幼い頃から三姉妹仲良く過ごしたということは後半効いてくるだろうから、初回は子役を使って、市存命中の時代を描いてもいいかも知れないが……

江が歴史の表舞台に登場してくるのは、秀忠と結婚してからである。年齢も22歳で役者の年齢とも合ってちょうどいい。そこから先を克明に描くべきだった。

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