窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

100年経ってようやく映画化「ジョン・カーター」

いろいろと躊躇したのだが、観て良かった。時間の関係上、2Dで観たのだけど、3Dでもう一回観たい。

題名ジョン・カーター(原題:John Carter)
監督アンドリュー・スタントン
脚本アンドリュー・スタントン、マーク・アンドリュース、マイケル・シェイボン
原作エドガー・ライス・バローズ火星のプリンセス
出演テイラー・キッチュジョン・カーター)、リン・コリンズ(デジャー・ソリス、ヘリウム王国王女)、キーラン・ハインズ(タルドス・モリス、ヘリウム国王)、マーク・ストロング(マタイ・シャン、サーン族・不思議な力を持つ不死の生命体)、ドミニク・ウェスト(サブ・サン、ゾガンダの王、デジャーに結婚を申し込む)、タルス・タルカス(サーク族(緑色人)の皇帝)、サラ(サーク族、ジョンの世話役、タルク・タルカスの隠し子)、タル・ハジュス(サーク族、タルス・タルカスを皇帝の座から追い落とす)、ウーラ(バルスームの犬)、ダリル・サバラエドガー・ライス・バローズ、ジョンが地球で唯一信頼する友人)、他
公式サイトジョン・カーター | ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品 | ディズニー映画
制作USA(2012年4月13日公開)
劇場ニュー八王子シネマ

粗筋

ジョン・カーターはある日不思議な力で突然異国の地で目覚める。異形の生物の存在からして、地球でもないらしい。そこではヘリウム国、ゾガンダ国、サーク族が三つ巴で争いを続けていたが、ゾガンダ国は実はサーン族に操られており、真にこのバルスームという星(実は火星)の支配を企むのはサーン族だった。

ジョン・カーターは誰に味方するつもりもなかったが、サーク族のサラやタルス・タルカスとの奇妙な友情、さらにデジャー・ソリスに惚れてしまったため、サーク族の協力を得てヘリウム国に味方し、統一を成し遂げる。そしてデジャーと結婚。しあわせな生活が始まるかに思えたが……

サーンの陰謀により、ジョンは地球に追いやられてしまう。地球に戻ってきたジョンは必死に火星へ戻れる方法を探し、ついにそれを見つけて再び火星に……というところで幕。

感想

原作はSFヒロイックファンタジーの古典的名作「火星のプリンセス」(1912)で、何度か映画化の話があったが今日まで実現できなかったらしい(そりゃそうだろう)。前宣伝で、ジョージ・ルーカスジェームス・キャメロンが多大な影響を受けた、と言っていたが、彼らが影響を受けたのは「火星のプリンセス」シリーズのことね。原作は読んでいないが、確かにこれだけの設定を作り上げたのは時代を考えればすごいことであり、2大巨匠の名をあげるまでもなく、多くのフォロワーが出てスペオペの分野が確立されたのだろう。

ただし映画を見る限りでは、むしろ「スターウォーズ」や「アバター」の影響が随所に見られる。異なる高等生命体が繰り広げる争いに巻き込まれるのは「スターウォーズ EP1」にもあったが、これは「スターウォーズ」側が影響を受けたのだとして、飛行船によるドッグファイトは(撮影方法が)「スターウォーズ」を思い出させるし、サーク族の容貌に関しては、「アバター」におけるパンドラ星人に似ている。特にタル・ハジュスの表情や仕草はツーテイそっくりだった。また、ウーラのような、グロテスクではあるけれども妙に可愛い(いわゆる「きもかわいい」か?)小動物を登場させる手法も「スターウォーズ」。

ついでに言えば、マタイ・シャンが何にでも姿を変えられる能力は、その変身シーンも含めて「ターミネーター2」に類似である。まあ、CGに関してはまだ歴史の浅い現在では、どうしても似通ってしまうという現実はあるのだろうが……

さらに言えば、「カウボーイ&エイリアン」を想起させるシーンもあったなあ。これ以上は難癖か?

しかし、逆にいえば面白さも「スターウォーズ」と「アバター」と「ターミネーター2」を足して割ったともいえ、それなりに夢中にさせられた。続編も企画されているらしい。

余談

上映前に、「マリリン 7日間の恋」と「マーガレット・サッチャー」の予告編が流れたのがオカシかった。予告も何も、とっくに封切られておるがな。(ニュー八王子シネマでは両者とも現在上映中のためと思われる。こういう「場末感」が好きである。)