2012年に観た映画

年間57本(51作品)は昨年の1.5〜1.7倍でともに過去最高。ただし1〜6月で52本(48作品)、7〜12月で5本(3作品)と極端な偏りもあった。これは7月から仕事が新しくなり、時間的にも精神的にも余裕がなかったため。一番暇だった5月には月間17本の記録も樹立した。この時、映画館を梯子するという恐らく初めての行為を行なっている。6月も月間15本。この時は映画館の梯子を2回、同じ映画館で(2本立てではないのに)2本観るということを一回行なった。一日複数本の映画を観たのはこの4回のみ。洋画40本(35作品)、邦画17本(16作品)。2年ぶりに洋画優勢に戻った。

2012年の特筆すべきことは「午前10時の映画祭」の存在を知ったことだ。要するに昔の名作を限定された映画館・時間帯に上映していることを知ったのである。これで「E.T.」「サンセット大通り」「レベッカ」「鳥」を観ることができた。これは非常に大きな出来事だった。現代作品を理解する上でも、古典を知ることの重要性は計り知れない。

その萌芽は、アカデミー賞を受賞した「アーティスト」にあったかも知れない。完全な無声映画でも、モノクロ作品でもないが、無声・モノクロ映画を模して作られたこの作品は、セリフというものが全くないのに話はちゃんと通じるし、飽きることなく画面に目が貼り付いていた。こういう表現があるんだということ、こういう作品でも面白いものは面白いのだということを知ったからこそ、古い映画を観たい気持ちが強くなったし、「サンセット大通り」を観たから「アーティスト」に対する理解も深まったのだ。

「午前10時の映画祭」以外にも「デジタル3Dリマスター」として「スターウォーズ エピソード1」「タイタニック」が公開されたのも大きい。スターウォーズは一度劇場で観てみたかったし、「タイタニック」はこれまで観た映画の中でも特に印象に残る作品で、もう一度劇場で観てみたかったのだ。ことさら3Dでなくても良かったが、3Dということでリマスタリングに価値が出るのだとしたら、3Dさまさまである。ところで、スターウォーズは過去の6作品すべて「デジタル3Dリマスター」され劇場公開されると宣伝されていたが、エピソード1のあと、全く公開のアナウンスが流れてこない。作業を継続しているのかも怪しいが、どうなったのだろうか?

「2010年は3D元年」と「2010年に観た映画」で書いたが、2011年は一度も3D作品は観なかった。それに対して2012年は5本(4作品)を3Dで観ている(IMAX 3Dに限ると4本)。57本中5本は、多いか、少ないか。その5本(4作品)の中で3Dのメリットを感じたのは「タイタニック」のみ。他の3作品は2Dで何も問題ない、と思った。まだまだ3Dが定着するには時間がかかる。

昨年、予習なしでふらりと観る習慣ができたこと、ふらりと観るのは邦画ばかりだと書いた。2012年は洋画をふらりと観る機会が格段に増えた。

また、アカデミー賞にノミネートされている作品を観る数もぐっと増えた。そのため、賞レースに大きな関心を寄せることになった。これは初めての体験である。楽しかった。そして、アカデミー賞にノミネートされるような作品は、好みの問題はあるにしても、それなりに質の高い作品だということも実感した。だからこそ、「ものすごくうるさくてありえないほど近い」「ヒューゴの不思議な発明」「ヘルプ 心がつなぐストーリー」などを見損なったのは残念だった。

昨年、立て続けに制作されたはやぶさ映画のうち「はやぶさ 遥かなる帰還」(主演・渡辺謙)、「おかえり、はやぶさ」(主演・藤原竜也三浦友和)が公開された。都合4本のはやぶさ映画をすべて観たことになる。こういう「見比べ」も面白いものだと思った。観客動員数はどれもパッとせず、ただでさえ小さなパイを食い合ったなどと評されたが、こうした作品は「国策映画」として、制作され、公開された点に価値があるのだと考える。イデオリギッシュな国策映画が増えるのは困るが、国がどういう活動をしているのか、ということをもっとアピールするような映画があってもいいと思う。

外事警察」の試写会に行った。試写会に行くのは1979年以来で人生二度目。

テルマエ・ロマエ」「宇宙兄弟」という人気漫画が相次いで映画化された。どちらも映画としての質も高く、興行面でも成功した。また国内の興行収入ランキングで、実写映画の1位と3位(と14位)を占める「踊る大捜査線」シリーズの最終話が公開された。

この中でベスト1を挙げるなら、文句なしに「アーティスト」だ。次点は「ドラゴンタトゥーの女」「私が、生きる肌」「ミッドナイト・イン・パリ」、番外が「アポロ18」か。
(2014/1/4 記)

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