窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

まずまず面白いクライム・ドラマだった「ハード・ラッシュ」

ようやく見られた。といっても、公開からまだ一ヶ月も経っていないんだけどな……。

題名ハード・ラッシュ(原題:Contraband)
監督・制作バルタザール・コルマウクル
出演マーク・ウォールバーグ(クリス、元運び屋)、ケイト・ベッキンセール(ケイト、クリスの妻)、ベン・フォスター(セバスチャン、クリスの親友)、ケレイブ・ランドリー・ジョーンズ(アンディ、ケイトの弟)、ジョヴァンニ・リシビ(ブリッグス、組織の人間)、他
公式サイト映画『ハード・ラッシュ』公式サイト 6.15 ロードショー!
制作USA(2013年6月15日日本公開)
劇場ヒューマントラストシネマ渋谷

内容紹介

クリスは、かつては凄腕と言われた運び屋だったが、今では足を洗い、妻と二人の子を得て堅気の生活を送っている。一方義弟のアンディはいまだに足が洗えない。ある時麻薬を運ぶ途中で不意の取り調べがあり、隠すために海に投げ捨ててしまうが、その損害は甚大で、組織は許さず、今すぐ金を作らなければ殺す、死んだら負債は家族に行くと脅す。

事情を知ったクリスは、昔の顔なじみのブリッグスに、仕入れ値を弁償するから許せと掛け合うが、ブリッグスは売値を弁償するように言ってきかない。そうなるとクリスの手元にもないから、足を洗ったはずの「運び屋」家業に今一度手を染め、損害を補おうとする。

ただしクリスは麻薬はやらない。そこで偽札を仕入れて金を作ろうとするが、しばらく現場から離れている間に偽札の品質が落ちていた。これではすぐに偽札だとバレる。おまけに組織はどうせならクリスに麻薬を運ばせたい。そこで家族を人質にとって麻薬運びに手を課すよう圧力をかける……

雑感

こういうのをクライム・ドラマというのだろうな。いかにうまく犯罪を行なうかに焦点を絞ったドラマで、警察につかまらないように、また組織に殺されたり、いいようにうまい汁を吸われるだけにならないように、という点でサスペンスフルであるが、登場人物が罪悪感をちりほども持たない点がいい。いや、「いい」というのは語弊があるが、要は「これはそういう架空のドラマですよ」と宣言しているわけで、楽しく観られた。

アンディのドジのおかげで自分や自分の家族の命が危険にさらされたクリスは、もう一度だけ運び屋をやることを決意するが、その時にアンディを連れて行くのは不思議。残して行っては命が危ないということか? しかしドジなアンディを仲間に入れたらまたドジに巻き込まれるのでは……? という不安は的中する。

まずは捕まらないように当局との追いかけっこがある。特に偽札の場合は場所を取るため、隠すといっても簡単にはいかない。次に、麻薬運びをやらせたい組織との攻防がある。遠くパナマまで出かけていってもいつでも携帯でつながっているあたりは現代風。組織は、家族を人質に取っていることを本人に知らせることができ、それを知った本人は(言うことを聞く以外)手を出すことはできないのだ。

最後は組織の人間にちょっとした「お返し」をし、さらに予想外の莫大な利益を得ることが出来て、クリスらに感情移入している観客はカタルシスを得ることができるという次第。観て良かったと思わせられた作品だ。

配役

タイトル

原題の「Contraband」は「禁制品」の意。「Hard Rush」という言葉はどこから出てきたもので、どういう意味なのか謎。