どういう顔をして観ていればいいのか「桜姫」

題名桜姫
監督橋本一
原作四代目鶴屋南北桜姫東文章
出演日南響子(桜姫)、野々村真(吉田左門、桜姫の父)、風祭ゆき(春琴、盲目の師匠)、青木崇高権助、盗人)、麻美ゆま(お七、ぢごくや看板女郎)、徳井優(宅悦、ぢごくや番頭)、合田雅吏(定吉鶴屋南北?)、でんでん(清玄、怪僧)、他
公式サイト6.29公開 映画『桜姫』公式サイト
制作日本(2013年6月29日公開)
劇場立川シネマシティ

内容紹介

吉田家の娘は桜姫と噂されるほどの美女だったが、ある日屋敷に忍び込んだ盗人に犯されてしまう。それまで男を知らなかった桜姫だが、初めての男が忘れられず、家を出、遊女に身を落とし、唯一の記憶――二の腕に釣鐘の入れ墨がある――を頼りに男を探すのだった。自らも同じ箇所に同じ入れ墨をするが、女の細腕のため風鈴に見え、「風鈴お姫」として評判を呼ぶのだった。お相手を願うには一週間も前から予約をいれなければならないほどで、それまでの看板女郎であったお七は面白くない……

雑感

これはいったいなんなんだろう、どういう感想を持てばいいのだろう。戸惑っているとしかいいようがない。

当初はお色気たっぷりの時代劇なのかと思った。青木崇高やでんでんなど、それなりの演技派俳優も出演するようだし、監督は橋本一だし、日南響子の名前は初めて聞くけど、若くて美人ぽいし、エンターテイメント作品としてそれなりの内容に違いないと。

ポルノ時代劇というと「忘八武士道」を思い出すが、こちらの方がずっと出来は良かった。日南響子はまだしも、女郎屋に登場する他の女衆が、全く時代劇の喋りができていない。

ポルノではないんだろうが濡れ場を強調するならあまりにも物足りない。19歳の(撮影時は18歳か?)日南響子にしてみれば、これでも思い切ったのかも知れないが、肌の露出はほとんどなし。その分麻美ゆまらおっぱい要因の女優が脱ぐのかと思いきや、ちょっとはそういう場面もあったがほんのお茶を濁した程度。SMっぽい場面もあったがこれも中途半端。

ストーリーが理解できない。姫が強姦されつつも相手に惚れてしまい、彼を探して家を出るのはよいとして、なぜ女郎に? 男が多く出入りするから、短絡的に思いついたのかも知れないが、そんなところにいっては行動の自由はないだろうし、いいとこのお嬢様で育った姫が自ら身体を開くとは考えにくい。もう少し説得力のある理由がほしい。

そもそも権助がある人物に命じられて吉田家の家宝である巻物を盗むところから話が始まる(ついでに桜姫を手籠めにしてしまい、姫の人生が変わるわけだが)。盗みはしたが、権助は素直に依頼者に渡さず、値を釣り上げる。依頼者は、これを持っていかないと自分の命がないと、権助から取り上げようとする……という攻防はまあいい。しかしこの巻物はなんなのか、依頼者に命じた人物は誰で、なぜそれを欲しがっているのか不明。不明でもいいけど関係者が命を賭ける根拠がない。この時代、内容はどうあれ命じられたことは成し遂げないと命がないということか?

妙に現代風なアレンジの意図が不明。権助が喧嘩の際にメリケンサックをはめていたり、プロレスの技が登場したり、遊女が不思議な夢を見たと言って現代にタイムトリップしたり。

でんでん演じる清玄の役どころはSFギャグとでもいうか。清玄はかつて白菊丸という稚児と心中をはかるが生き残ってしまう。ある時姫の恋路を邪魔したいお七は、宅悦の調合した強壮剤を清玄に飲ませ、権助をやっつけてくれと頼むが、勝手に持ち出した薬は劇薬で、清玄は死んでしまう。が、雷雨の夜に雷を受けて電気ゾンビとしてよみがえった。さわるものはたちまち電気ショックで気絶してしまう。これで邪魔者は簡単に片づけられるが、女に触れようとしても触れられなくなる。これはミダス王以来の使い古されたギャグ。その他、電気ゾンビにまつわるギャグはいくつか出てきたが、CG処理の安っぽさと相俟って、とても笑えないレベル。

まあ、こういう作品もあるということだな。

配役

麻美ゆまは「探偵はBARにいる2」でも登場。橋本監督が好きなのかな……。