窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

何をどう騙されればよかったのか「二流小説家」

題名二流小説家 リアリスト
原作デイヴィッド・ゴードン
監督猪崎宣昭
出演上川隆也(赤羽一兵、小説家)、武田真治(呉井大悟、死刑囚)、小池里奈(小林亜衣、赤羽の姪)、片瀬那奈(長谷川千夏、被害者遺族)、本田博太郎(三島忠志、被害者遺族)、高橋恵子(前田礼子、弁護士)、平山あや(鳥谷恵美、前田礼子の助手)、黒谷友香(今野純子、赤羽の元恋人)、でんでん(後藤猛、「男のゴールデン街」編集者)、長嶋一茂(レポーター)、戸田恵子(鏑木裕子、呉井の信者でニートだった鏑木樹里の母親)、佐々木すみ江(呉井のかつての里親)、伊武雅刀(町田邦夫、連続殺人事件を追う刑事)、他
公式サイト映画『二流小説家』公式サイト
制作日本(2013年6月15日公開)
劇場109シネマズ川崎

内容紹介

赤羽一兵はミステリー作家志望だがなかなか認められず、男性誌にポルノ小説を書いて口に糊する生活。ある日呉井大悟から自分の告白本を書いてほしいという執筆依頼が舞い込んだ。呉井大悟は12年前、4人の女性の首を切り落とし、その全裸写真を撮影したシリアル・キラーで死刑囚である。世間が注目する人物の告白本を書けば、一流の作家になれるかも知れない、と姪で大家(の娘)で作家のマネージャーを気取る小林亜衣に背中を押され、とにかく武田に会ってみることに。

呉井大悟は、告白本を書く条件として、自分を信奉する女性ファンから3人を選び、その人を取材して、彼女を主人公にした官能小説を書くことを要求する。ところがその3人は赤羽が取材を終えた途端、かつての呉井大悟と同じ手口で殺されてしまう……。

雑感

あまり日本映画っぽくなく、洋画のテイストだなあと思っていたら、原作は海外(合衆国)の小説だった。こういう作り方は珍しいのでは?

ミステリーとしてはそれなりに面白い。しかし「必ず貴方もダマされる」「観るものすべてを欺く驚愕のラスト」とパンフレットに煽り文句があるが、何をどう騙されれば良かったのか、ちょっと途方に暮れた。

3人の女性が立て続けに殺され、12年前と同じ手口だったが、12年前の事件の犯人は死刑囚で塀の向こうにいるのだから、犯人ではあり得ない。模倣犯か別の意図があるのかはともかく、呉井とは別の犯人がいることになる。それが誰かは僕にはわからなかったが、犯人が分かった時は、ああなるほど、と思っただけ、別に騙されたわけではない。

12年前の事件で、呉井は4人を殺したとされたが、実は呉井が殺したのは3人で、一人は別の人が犯人だった。この犯人は意外と言えば意外だったが、そこを突っ込むなら、そもそも呉井はなんで3人は認めるけどその女は僕が殺したんじゃないと述べなかったのか。そこがよくわからないので、騙されたというほどでもない。それにしてもこの犯人は、いつ呉井が漏らすか怯えながら時効を待っていたのだろうか。その心情を考えると殺人者ながら同情してしまう。

呉井の母親のことはちょっと意外だったかも知れないな。

配役