窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

NHK大河第27回「包囲網を突破せよ」

粗筋

髪を切った八重は夜襲に参加。敵を倒すことより、敵の武器弾薬を少しでも横取りできたら……と思うが、どのくらいの戦果を挙げたのかは不明。とりあえずは生きて帰ってきた。

照姫が城を出たという間違った情報に踊らされた中野竹子以下の薙刀隊は城に戻るに戻れない。萱野の隊と合流し、ともに戦うと申し出るが萱野は拒否。それなら全員自害するというとようやく戦隊に加わる許可がおりた。が、敵の銃撃の前に進むことができず、さすがの竹子も鉄砲の威力を認識せざるを得なかった。「城に戻ったら、八重さんに鉄砲を習おう」と決意するが、弾に当たって死ぬ。雪は敵の手に捕えられるものの、自死

大蔵は彼岸獅子の隊に扮して無傷で城に戻ってきた。そして出迎えた登勢を抱きしめる――

雑感

萱野は「女なんかを兵に加えたら、会津は他に兵がいないと思われる」と言って竹子の参戦をいったん拒否するが、実際に兵がいないのは事実なのだし、少年兵である白虎隊まで出陣させておいて何を今さら、と多くの視聴者が思っただろう。しかし、少年兵は最悪、死ぬだけだが、女の場合は死ぬだけでは済まない。戦いの最中「女は殺すな!」と叫ぶ者がいて、そのあと雪が敵兵に捕まるのだが、大人はこれで何が起きたか察してくださいよということだろう。普通の女性にとって、特にこの時代の女性にとって、敵に凌辱されるなどというのは死ぬよりはるかにつらいことであったに違いない。

萱野は竹子の「ならば、ここで死ぬまで」という言葉にたじろいで思わず参戦を認めてしまうが、こうした結末は予想できたのだから、その場で全員死なせてやった方が良かったように思う。

彼岸獅子の入城シーンは会津戦争のハイライトのひとつと思うが、ドラマ的に今一つ盛り上がらなかった。当初は、兵が全員彼岸獅子に扮するのかと想像していたのだが、そうではなかった。そして、10人や20人ならともかく、あれだけの兵隊が入場するのにぽかんと見ていた新政府軍がいかにも間抜けで、もう少し詳しい説明がほしかったところだ。

ラストシーンは亡き家族の辞世の句(を書いた短冊)を読む頼母であった。この短冊は七夕に懸けていたのか。すごい演出だ。

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