大殿(松平容保役の綾野剛)が出演するということで八重クラスタの間で話題になっていたドラマ。レンタルが開始されていたのでさっそく借りてきた。大殿だけでなく梶原平馬もいた。タイトルは、新垣結衣が嫌なんじゃなくて、新垣結衣の演じた稲葉リカが嫌な奴だったという意味です。
タイトル
- 「空飛ぶ広報室」
原作
脚本
オリジナル放映日
- 2013年4月14日
放映日
- 2013年4月14日〜
公式サイト
内容
空井大祐は航空自衛隊の戦闘機パイロットで、憧れのブルーインパレスへの配属も決まり、幼い頃からの夢がかなったと思った瞬間、トラックが歩道に乗り上げるという事故に巻き込まれて脚を骨折。結局ブルーには一度も乗ることなく戦闘機乗りの道を諦めることになった。そして広報室へ配属されたが、笑うこともなく、心が死んだ状態で過ごしていた。
稲葉リカは報道記者として第一戦の道を歩みつつあったが、5年目で左遷。情報局へ異動になり、おいしい食べ物屋さんの取材や制服で働く人の取材に明け暮れる日々を送っていた。左遷の理由は明確には語られなかったが、彼女の態度を見ていればだいたい想像がつく。あちこちでいろいろな人とぶつかって総スカンを食った、というところだろう。
リカの頭の中では報道こそが記者の花形であり、情報局の仕事を見下していた。手柄を立てて報道局に返り咲くことしか考えていない。そんな態度で仕事がうまくいくはずもないが……
制服シリーズの一環でリカが航空自衛隊に取材に訪れた時に空井と出会って物語が回り始める。「戦闘機って所詮は人殺しの道具じゃないですか」と言うリカに空井が真赤になって怒鳴るのだ。パイロットは人殺しじゃない! 人を殺したいなんて考えたこともない!」と。事故以来、何に対しても心を動かすことのなかった空井の中で何かが動き出したのだ。リカも、空井の過去を知り、記者が踏み込んではいけないことがあるのかも知れないと、謙虚な気持ちを感じ始める……
感想
とにかく稲葉リカが嫌な女で冒頭からムカつきっぱなし。最近では「ガリレオ2」で吉高由里子の演じる岸谷美砂もイヤな奴だったが、稲葉リカに比べればかわいいものだった。20分くらいで、もうこのドラマを見るのはやめようかと思ったが、とにかく大殿を見なければはじまらない、第一話だけは最後まで見ようと我慢していたら、途中からだんだん嫌でなくなってきた。
リカは反省もしなければ謝罪もしない、最後まで嫌な奴なんだけど、自社のドラマ制作スタッフが空自の人たちに失礼な言動を取った時は本気になって怒り、彼女は別に身内だろうがなんだろうが筋は通すし、怒る時は怒る人なんだとわかってちょっと緩和された感じ。
鷺坂の「詐欺」ぶりが見事。片山をはじめとする空自広報室の人たちの大げさな演技も注目。
僕らは自衛隊のことについてあまりよく知らない。この作品は自衛隊(特に空自)の広報的側面もあるのだろうが、その点でも価値ある作品だといえる。大変興味深い。
鷺坂が空井に、腹が立ったら怒ればいい、ただし切れてはいけない。怒鳴ったり手を出したりするのは攻撃を仕掛けるのと同じこと。われわれは「専守防衛」なのだ……と説教するシーンは良かった。