映画やドラマを見て、粗を探すのは割と簡単である。このストーリーにはここに矛盾がある、この役者の演技はダメ、いわゆる「ダメ出し」である。そういうことをビシバシ指摘すれば、自分が高い鑑賞力を持っていることの証明になる。逆に、そのことに触れておかないと、お前はこんなこともわからなかったのか? と読者にバカにされてしまう。
……というような心理が働くのか? つい、ネガティブなことを書いてしまいがちである。自分だけではなく、ブログやツイッターなどではネガティブなコメントがあふれているから、誰しも多かれ少なかれそうした傾向があるのかなと思う。
昔は、自分ごときが何を言っても制作者側の耳に入ることはあり得なかったので、まあ何を言ってもいいや、みたいな気持ちもあったが、ネットで公開していれば、誰が目にするかわからない。しばらく前だが、このブログでさる映画に関して少々ネガティブなことを書いたところ、監督から「確かにおっしゃる通りですね」のようなコメントをいただき、心臓が凍りついたことがある。
批判自体が悪いことではないと思うが、根拠のない誹謗中傷はやめよう。ネガティブな感想を書く時も、「これはダメだ」ではなく「僕は好きではない」「僕には合わなかった」という書き方にしよう、と一応は考えている。
しかし、これらは「言うは易く、行なうは難し」なのだ。