さすがの迫力!「イントゥ・ザ・ストーム」

パニック映画。1996年には「ツイスター」という作品があったが、それの21世紀版か?

題名イントゥ・ザ・ストーム(Into the Storm)
監督ティーヴン・クォーレ
出演■シルバートン高校/マックス・ディーコン(ドニー、兄)、ネイサン・クレス(トレイ、弟)、リチャード・アーミティッジ(ゲイリー・モリス、シルバートン高校の教頭/モリスとトレイの父)、アリシア・デブナム=ケアリー(ケイトリン、ドニーが心を寄せる子)、他
■竜巻ハンター・チーム/サラ・ウェイン・キャリーズ(アリソン・ストーン、気象学者)、マット・ウォルシュ(ピート、竜巻ハンターのチーム・リーダー)、リー・ウィテカー(ルーカス、カメラマン/ピートの右腕)、アーレン・エスカーペタ(ダリル、カメラマン)、ジェレミー・サンプター(ジェイコブ、新米カメラマン)
■その他/カイル・デイヴィス(ドンク、アマチュア投稿者)、ジョン・リープ(リービス、ドンクの相棒)、他
公式サイト映画『イントゥ・ザ・ストーム』 オフィシャルサイト
制作USA(2014年8月22日日本公開)
時間89分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

内容

今日はシルバートン高校の卒業式。ドニーは弟のトレイとは仲がいいが、父親とは打ち解けられずにいる。思いを寄せるケイトリンが困っている現場をたまたま目撃し、トレイにけしかけられて彼女に協力を約束。卒業式を抜け出して廃棄された製紙工場へ調査に出かける。

竜巻ハンターのピートは気象学者やカメラマンと組み、竜巻の撮影に挑む。できるだけ近距離で、できれば竜巻の内側を。見事に撮影できれば高く売れるというわけだ。しかし竜巻は突発的に発生し、ほどなく消えるため、遭遇できるのはまれ。もう一年もまともに撮影ができていない。そんな矢先に、史上最大級の竜巻に出くわせる……

雑感

パニック映画なので、とにかく竜巻そのもののの恐ろしさ、あるいは被害の大きさや逃げ惑う人たちをちゃんと表現してくれればそれでいいが、その点においては十分合格点だった。

竜巻の恐ろしさは、それによって建物が破壊されればもちろん困るし、自動車が吹き飛ばされたりしたら乗員の身の安全は保障されないわけだけど、巻き上げられたものが降ってくるわけですね。それが恐ろしい。小石だって空から降ってくれば、それが人に当たれば命に係わるが、瓦礫や自動車が空から降ってきたら、建物や自動車も一瞬にしてオシャカになってしまう。そういう恐ろしさもあるんだなと思った。

ストーリーはある意味、陳腐でもいいのだけど、最初は竜巻を追いかけるピートらの話とドニーらの話が並行していて、ドニーらの話が詰まらない、なんでこんな話をはさんでくるのかとちょっと不満だった。が、途中からこの話がひとつに合体し、大きな話として進んでいく。それはかなり面白かった。極限状況でトレイが父親に伝えた不満、命の危険を顧みずドニーを探しにいく父親とそれについていくトレイ、その途中で困った人に手を貸す父と、その姿を見るトレイ、そして死を覚悟したドニーが父と弟に残すビデオレターでの告白……。ちょっとカッコよく描かれ過ぎているきらいがなくもないが、いい話だった。

ひとつ気になったのは、竜巻が去ったあと、ドニーとケイトリンはどうなったのか、ということだ。明示的には描かれないが、思いを通じあわせるシーンがあるから、普通に考えたら二人は結ばれただろう。しかし、「パニック時の恋は長続きしない」(SPEED)ということもあるからな。

ピートらが竜巻撮影のために特別にしつらえた自動車「タイタス」は、説明を聞くとすごい装備で、マニアならずとも心をくすぐられる魅力的な自動車である。が、その設定が話の中であまり生かされていなかったのは残念だった。結局、普通のバンに乗っているアリソンとペアでの行動になるため、バンが飛ばされたら終わりなのだ。

それにしても、タイタスは風速76mまで耐えられるように設計され、デジタル・シネマ・カメラをはじめ24台ものカメラが設置されている(プロダクション・ノートより)というのに、竜巻を前にしてなぜタイタスから降り、ハンディカムで撮影しようとしたのかは疑問。そりゃ死ぬでしょ。

公式サイト

風速があがるとどういう状態になるかを示した体感ビデオを数多く用意してあるのは面白かったが、基本的にはPDFで31ページのプロダクションノートがすべてということらしい。それ以外には写真の点数も少なく、キャストの紹介もない。プロダクションノートは確かに詳しく書いてはあるのだが、レイアウトは雑(そこいら辺の素人が作った提案書だって、今どきもっと見栄えがするだろう)で、絵や写真が一点もない。目次もないし、文章もだらだらと綴ってあってよみにくいことおびただしい。手を抜き過ぎだ。

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