窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ちむどんどん」(12)

第03週「悩めるサーターアンダギー」(火)

放送日

  • 2022年4月26日

登場人物

  • 杏花(仲村英子、歌子の友人)
  • 片桐はいり(下地響子)
  • 渡辺大知(喜納金吾、製糖工場の御曹司)
  • 山田裕貴(石川博夫、良子の友人)
  • 松田るか(東江里美、良子の友人)

概要

本土復帰も近づく1971年。沖縄本島北部、やんばるの比嘉家では、素行がよくないことで地域で有名な長男・賢秀の起こしたいざこざから波紋が広がり、母・優子の頭を悩ますことに。折から就職活動をしている暢子に思わぬ影響が起こり、将来に暗雲が漂い始める。姉・良子、そして妹・歌子もそれぞれに家族に言えない想いを抱えていて……。(NHKオンデマンドの解説より)

暢子はビニール袋に入ったサーターアンダギーを手土産に、眞境名(まじきな)商事に一人で謝罪に行く。賢秀が正式に謝罪することを条件に、入社取り消しは撤回した様子。ただ、入社後の仕事は「お茶汲み」で、女子が出張したりすることは全くないと説明されて、仕事に抱いていた夢がしぼんでいった。

良子は名護で大学時代の友人、石川博夫、東江里美、そしてもう一人男子と会う。第11回で良子は「石川博夫」宛ての手紙を出していた。それは石川に借りた本の感想だったようで、石川は喜び、他の本も貸そうと申し出る。松田るかは、店の人に、私たちは四大だが良子だけ短大だと紹介したり、石川の目の前で、良子の服の継ぎを指摘したりする。良子は石川が好きなだけで、他の人とは必ずしも仲良くはなさそうだ。

社会の矛盾に直面し、暢子は悩み始める。

今日の暢子

「早く社会人になって働きたいと思ってたけど、いまはずっと高校生のままでいいと思えてきた」

雑感

理解できないことが次々に起きるので、頭がついていかない。

7年前の貧乏生活がどう解決したのか、全員をどうやって高校に(良子に到っては大学にまで)行かせたのか、今日も説明はなし。それどころか新たに不可解なことが次々に起きる。

暢子は、なぜ自分が謝罪しなければならないのか、と不満そうだが、頻繁に暴力事件を起こして何度も警察沙汰になっているような人間が身内にいるような人の採用を見合わせるのは、企業としては当然である。

しかし眞境名商事の社長は「うちのバカ息子が」と言っていたから、必ずしも一方的な被害者でないことはわかっていたのだろう。前田善一に電話で何と言ったのかわからないが、初めから、きちんと筋を通して謝罪すれば暢子に関してはお咎めなしというつもりだったと思われる。

とはいえ親か高校の教師が一緒についていくべきで、優子の仕事が簡単には休めず、他に親代わりの人がいない事情はさておいても、暢子を一人で行かせるのは疑問である。

暢子も暢子で、採用取り消しと言われたから、それを撤回してもらうべく謝罪に行っているのに、「私はどんな仕事をするんですか?」などと能天気に訊くのは理解できない。よく相手が怒らなかったものである。この社長と専務(?)はどことなく下品で、こんな会社に頭を下げる価値はない、ということを視聴者に訴えたいのかも知れないが、この二人の言うことはもっともであっておかしなところはない。むしろ甘えているのは暢子の方である。

暢子の悩みは、現在の学生であれば不思議はないのだが、母親が朝は畑、昼は勤め、夜は内職、時に土方仕事までして収入を得るために頑張っているのを見て育ち、家の仕事をするために部活もできなかった子のものではない。優子が工事現場で働かせてくれ、と頼み込んだ時、面白そうとか、将来性がとか、そんなことを考えたであろうか? 貧乏人の子は、一刻も早く社会人になってお金を稼ぐことを考えるものである。

ちなみに賢秀の暴力事件、賢秀自身はもちろん、暢子をはじめ、家族も、賢秀は悪くないと思っている節があるが、親切とか正義感とか倫理観とかで行動をするなら、まず突き飛ばされた女性を助け起こすべき。そしてケガがないか確認したり、荷物を持ってあげたりすればいいのであって、三人組に喧嘩なんか売る必要はないのだ。結局、女性を突き飛ばした相手を懲らしめるという名目で、自分の暴力衝動を満足させただけに過ぎない。単なる乱暴者なのだ。

なお、仮に喧嘩沙汰になってしまったとしても、決着がついたら直ちに姿を消すのが喧嘩の極意。名前を名乗り、「おれが山原の一番星さあ」などと得意になって吹聴するのはバカを通り越している。だから警察につかまるし、相手にも正体がバレ、今回のような事件につながるのだ。



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