第9週「カカシみたいなワテ」(木)
放送日
- 2023年11月30日
概要
大げんかをしたスズ子と梅吉は、お互いに口も利かないようになってしまっていた。なんとか間を取り持とうとするチズだが……。一方、梅丸楽劇団では、人数が減り続ける楽団をなんとかしようと羽鳥善一が編曲に追われていた。しかし、そろそろ梅丸から手を引くべきではないかと言われてしまう。そんな中、スズ子は動かずとも歌える「蘇州夜曲」を歌わせてほしいと善一に願い出る。(NHKオンデマンドの解説より)
しかし、羽鳥は「それは君が本当に歌いたい歌じゃないだろう」と却下。そして「ラッパと娘」のピパの演奏を始める。「何してる、福来くん。歌うんだよ」。それに合わせ、スズ子はピアノ室を所狭しと踊り回り、歌う……。
ついに梅丸楽劇団が解散することになった。他もどこに似たり寄ったりの事情だから、楽団員は辞めたあとも仕事の当てはない。竹田は、「みなさんは一所懸命やってくれました。責任は演出の私にあります」と頭を下げた。
失意のスズ子が帰宅すると、梅吉が伝蔵の屋台で喧嘩をし、警察に連れていかれたという……
感想
秋山がいなくなったあとは、スズ子の歌と楽団にフォーカスされ、劇団の方は描かれなかったから、女性がスズ子だけの小さな所帯のように見え、寂しかったが、ともかく時局柄、いったん幕を下ろすこととなった。観客が誰もいない、ピアノ室での「ラッパと娘」は圧巻だった。これまでのステージはいわゆる口パクだったが、この時は踊っているスズ子の歌がそのまま流れた。このライブ感がよかったのだ。息遣いが伝わって来た。
スズ子が梅吉を部屋から追い出したのか梅吉が出て行ったのかはわからないが、大家の部屋で寝るのはいくらなんでもやり過ぎだ。小村夫妻もさぞ迷惑だっただろう。狭い部屋で顔を突き合わせて暮らすのはストレスのもと。空き部屋はあるようだから、せめて二部屋借りて、別々に住めばいかがなものかと思うが……
酒を飲んで荒れるだけでもやりきれないのに、暴力事件まで起こしては家族は(視聴者も)つらい。ジョーも万太郎も、生活力はなかったが、酒も博打も浮気もしなかった。ついでに喧嘩もしない。だから周囲に(視聴者からも)愛された。酒も陽気な酒はいいが(はな湯時代の梅吉はそうだった)……。ただ、無闇に喧嘩をするとは思えない。何か理由があったのだろう。恐らく別の客か、通りすがりの人が、梅丸楽劇団のことを、このご時世にあんな浮かれたことをして、ふざけている、非国民だ、とか何とか言ったのでは……と想像するが……