窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(043)

第9週「カカシみたいなワテ」(水)

放送日

  • 2023年11月29日

概要

スズ子は、弟子にしてほしいと飛び込んできた小林小夜の面倒を見ることになった。梅吉といつの間にか打ち解けあっていた小夜。スズ子は小夜に梅吉の世話をするようにとお願いするのだが……。楽団では、徴兵で人員はどんどん減ってしまっていた。スズ子も相変わらず三尺四方の枠の中でおとなしく歌うことしかできず、客は退屈し、空席が目立つようになっていた。(NHKオンデマンドの解説より)

スズ子は小夜を下宿に連れて帰り、住むところが見つかるまでの一週間くらいを泊めさせてもらえるよう小村チズに頼み込む。翌日、スズ子は仕事へ行き小夜は部屋に残る。小遣いを渡し、家の用事と父の相手をお願いして。父に金を渡さぬように、飲みに行ってまうから。

客がどんどん減っていることを辛島部長に相談。警察に袖の下を握らせてでも以前のような公演を認めてもらうしかないのではと訴えるが、辛島はスズ子に、多くの人から寄せられた非難の手紙の束を見せる。規制をかけているのは警察だけではない、世間の目もあるのだと。

暗澹たる気持ちで帰宅すると、梅吉と小夜が酔って大騒ぎしていた。梅吉は「ずっとここにいればいい、六郎の嫁になれ」と言い、小夜は喜ぶ。が、スズ子の怒りが爆発。約束は守らない、言っていることはコロコロ変わる、そんな人間は信用できないと言い、小夜にすぐここを出るよう厳命。梅吉は、身寄りのない子を追い出すとは鬼やなと呟く。

感想

まさか小夜を自分の部屋に連れて行くとは思わなかった。独り暮らしならまだいい、父がいるのだ。年ごろの娘を異性と同じ部屋で寝かすか? 弟子にする気はない=面倒を見る気はないのなら、どこかの宿屋へ連れて行って、一泊分の費用はおごってあげて、翌日、帰るなり住むところを探すないしなさいと言うのが恐らく精一杯のやさしさであろう。部屋へ連れてきて、大家の家の物を何か盗まれでもしたらどうするつもりだろう。

翌日も、部屋を探しに行きなさいではなく、家の用事(洗濯と掃除か?)と父の世話を頼んでしまった。その結果、梅吉の世話をし一緒に酒を飲んで盛り上がっていたのだから、スズ子は「約束を守らない」と言ったが、あながち間違いではなく、むしろ頼まれたことを誠心誠意努めたと取れる。梅吉がやさしい言葉をかけてくれるから、ほだされたとしても無理はない。

とはいえ、スズ子の気持ちもよくわかる。親のことは放っておけないし、何かはしてあげたい。でも自分も仕事があって、四六時中お世話をすることはできない。その上仕事もうまくいっていない。梅丸楽劇団の危機的状況なのである。梅吉と小夜がお互いにやさしくできるのは、二人とも金を稼いでいないからだ。自分が稼がなくても誰かが食べさせてくれるなら、いくらでも明るく、やさしくできる。

ちょっと袋小路に入り込んだ感じ。どのように打開するのか。梅吉は大阪へ帰らせ、昔なじみの人達と一緒に生きていくしかないのかも知れない。


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