第9週「カカシみたいなワテ」(火)
放送日
- 2023年11月28日
登場人物
- 富田望生(小林小夜、弟子入り志願者)
概要
警察から注意を受けたスズ子は、三尺四方の中だけで自分の歌を表現するのは難しいと悩んでいた。警察署で自身の信念を貫く茨田りつ子の姿を目撃し、これから先自分はどうしていけばいいのだろうと、辛島部長に相談する。そんなスズ子が家に戻ると、梅吉は相変わらず泥酔して玄関の前で眠ってしまっていた。スズ子は自身の歌のことも、父のことも、どうすることもできずにいた。(NHKオンデマンドの解説より)
六郎から手紙が届く。亀の心配ばかりの短い手紙だが、梅吉は手紙を顔に押し付け、六郎に会いたいと叫ぶ。六郎はお説教をしない、六郎は自分の気持ちをわかってくれる、六郎は酒に付き合ってくれるかも知れない……。それを聞くスズ子は面白くない。誰も説教したくてしているわけではないのに。
公演終了後、楽屋に一人の見知らぬ少女が飛び込んでくる。スズ子に弟子入りしたいと。スタッフが追い返そうとするが……
感想
昨日は、梅吉はやることがないから致し方ない面もある……と書いたが、もうひとつ、大阪では近所の人や常連客などに囲まれていたのに、東京ではスズ子のほかに知っている人が誰もいないのも大きいのだろう。引っ越した先で積極的に知り合いを増やしていける人もいるが、梅吉はそういうタイプではない。そもそももう若くもない。これなら大阪に残し、はな湯の手伝いをさせていた方がよかった。もっとも、それではゴンベエ夫妻が気を遣って大変だろう。
六郎の手紙が父&姉宛てだったということは、父が大阪を引き払って姉と同居していること、つまりはツヤが死んだことが六郎に伝わっているということだ。六郎はどんな気持ちでその知らせを読んだだろう。軍隊生活のことはどのみち詳しくは書けないのだろうが、亀のことばかり書いているのは、本当はつらいことがあるのではとも思う。それに、手紙を書いたのは、もしかしたら訓練が終わって戦地に行くことになったからかも知れないな。
暗い事ばかりの内容だが、最後にやってきた小林小夜の能天気な明るさが救いだ。