2月2日鑑賞。
題名 | ある閉ざされた雪の山荘で |
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原作 | 東野圭吾 |
脚本 | 飯塚健、加藤良太 |
監督 | 飯塚健 |
出演 | 重岡大毅(久我和幸、「堕天塾」の元劇団員)、間宮祥太朗(本多雄一、「水許」の看板俳優)、戸塚純貴(雨宮恭介、男子のリーダー格)、岡山天音(田所義雄)、堀田真由(笠原温子、女子のリーダー格、枕で役を得たという噂)、西野七瀬(元村由梨江、金で役を得たという噂)、中条あやみ(中西貴子)、森川葵(麻倉雅美、事故で下半身不随となり「水許」を退団)、他 |
公式サイト | 映画『ある閉ざされた雪の山荘で』|大ヒット公開中! |
制作 | 日本(2024年1月12日公開) |
時間 | 109分 |
劇場 | イオンシネマ港北NT(スクリーン9) |
内容
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。はたしてこれは本当に芝居なのか?(Amazaonの書籍紹介より)
感想(多少のネタバレあり)
こんな話だったかなあ? と訝しみながら見ていたが、原作は未読だった(別の作品と誤解していた)。
堀田真由は、昨年「鎌倉殿と十三人」に出て来た時はさほど感心しなかったのだが、今回はいい味を出していた。ピアノを弾いている姿が映ったが、あれは本人が本当に弾いている?
西野七瀬は「ハコヅメ」ですっかりファンになったのだが、以後はあまり役に恵まれないような。本作では中条あやみと逆だったらよかったような気がするが。
クローズドサークルというのはミステリーのひとつの形式だが、現代においてこうした状況を実際に成立させるのは難しい。本作では、現実には雪など降っておらず、周囲といつでも連絡が取れる状況であったが、芝居のオーディションのために、吹雪の山荘にいるという前提で行動するよう指示されていた……という設定でクローズドサークルを成立させてしまった。このアイデアは画期的。
「チャンスは全員に平等」と言われている中で、殺されたことになっている人が退場していくのは不思議。その人にとっては明らかに平等ではないから。
途中リタイアしようとする雨宮を皆で引き留めるのも不思議。主役の座を賭けて争っているのだ。降りてくれれば他の全員が得をする。引き留める理由は何もないと思うのだが。「正々堂々と最後まで競争しよう」とでもいうのだろうか?
「謎が解けた者が主役だ」というが、なんの謎を解くのだろう。この大前提がわからない。殺した犯人を捜せということなのかも知れないが、殺された「という設定」で、被害者役の人以外は事情を事前に知らされていないとしたら、誰が被害者を恨んでいるかなんていくら話しても不毛だ。アリバイその他の証拠から、犯行可能な人間を絞っていくというなら、まだわかるが、指紋を取るわけにもいかず、全員が寝ていて目撃者もいないのであれば、あっという間に行き詰るだけだ。まあ、仲がいいように見えて「水許」のメンバーも意外と複雑な感情の対立があったのは面白かったが。
花瓶に血糊ではなく「本物の血」がついていたというだけで、死体も切り取られた手足もないのに「本当に殺人が行なわれている!」と皆が思い込むのは信じられない。観客は誰もそうは思わなかったのではないだろうか? もう少し「え、本当に殺されたの?」と思わせてほしかった。
結局、この「合宿」の主催者は誰だったんだろう? そこはもう少し説明がほしかったかなあ。
余談だが、原作未読なことがわかったため、帰りに読もうと思って本を買おうとしたら、Kindle版が出ていなかった(怒)。それがもう少し早くわかっていれば、映画館のある建物の中に書店もBOOK OFFもあったけど、出てしまったあとではもう遅い。ガッカリ。