窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「虎に翼」(092)

第19週「悪女の賢者ぶり?」(火)

放送日

  • 2024年8月6日

概要

新潟市内で事件が発生。森口の娘・美佐江がその事件に深く関わっているのではないかという疑惑が持ち上がる。赤い腕飾りのことが気にかかる寅子は正面から美佐江と向き合って話そうとするが、寅子の対応は完全に失敗する。(NHKオンデマンドの解説より)

美佐江は一緒にいたから捕まっただけで無関係とのことで釈放された。が、捕まった少女たちは赤い腕飾りをしていなかったかと訊くと、していたという。寅子は美佐江が関わっているのだろうと確信を持つが、どうしていいかわからない。

そんな矢先に美佐江が寅子を訪ねて来る。寅子は、本当のことを話してほしい、誰かに聞いてほしくてここへ来たのではないかとぶつけてみるが、美佐江は、「なぜ悪い人から盗んではいけないのですか? なぜ自分の身体を自分の自由にしてはいけないのですか? なぜ人を殺してはいけないのですか? 説明できます?」と寅子に詰め寄る。一緒に考えよう、と答えているところに優未が訪ねて来る。

図書館まで来たから、一緒に帰れないかと母親の様子を見に来たのだが、優未と美佐江を会わせてはいけない、とばかりに弓を強引に引き寄せ、顔を隠すように抱きしめる。それを見た美佐江は複雑な表情を浮かべ、立ち去る。その後、父親が「佐田判事がうちの娘を犯人呼ばわりした」と怒鳴り込んでくる。

感想

捕まった時に自分だけ無関係のふりをして釈放されていく美佐江を見て、仲間たちは「騙された」と気づかないのだろうか。それとも美佐江さまを逃がすのは当然だと思っているのか。

盗んではいけない、殺してはいけないと決まっているのはなぜか、など、自明だと思うが、何が不思議なのか、訊かれた倫子が答えに詰まるのはなぜか、と不思議だが、これはSNSの投稿を見て合点がいった。今は1952年、17~8歳の美佐江は1934~35年生まれで、お国のために忠誠を尽くすと言うのは戦争で手柄を立てる(=敵国人を殺す)ことだと教育を受けて来たわけだ。そことの齟齬があるのだろう。

必死で美佐江に歩み寄ろとする寅子だが、優未の出現で状況が一変。優未に手を触れさせてはいけない、顔を覚えられるのもまずい、ぐらいのことを瞬間的に考えたのだろう。自分を危険人物とみなす寅子を見て、ああ綺麗ごとを言ってもこれがこの人の本心か、と思ったか。

ここまで美佐江の母親が(たとえ名前だけでも)登場しないのが気になる。死別・離婚などでいないのか、あるいは美佐江に無関心なのか。



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