あの結末にショック!「鑑定人と顔のない依頼者」

今日こそ観ようと会社を定時に出る。開始20分ほど前の時点で残りわずか。最終的には完売はしなかったようだが空席は数席ほどだった。

題名鑑定人と顔のない依頼者(La migliore offerta/THE BEST OFFER)
監督ジュゼッペ・トルナトーレ
出演ジェフリー・ラッシュ(ヴァージル・オールドマン)、ドナルド・サザーランド(ビリー、ヴァージルの友人にして共犯者)、ダーモット・クロウリーランバート、ヴァージルの秘書)、ジム・スタージェス(ロバート、機械技師)、シルヴィア・ホークス(クレア・イベットソン、謎の依頼人)、フィリップ・ジャクソン(フレッド、ヴィラの管理人)、他
公式サイト映画『鑑定士と顔のない依頼人』公式サイト
制作イタリア(2013年12月13日日本公開)
時間124分
劇場TOHOシネマズ シャンテ

内容紹介

ヴァージル・オールドマンは優れた美術品の鑑定士であり、著名なオークショニア(オークションの進行係)である。年齢については明言されないが、ジェフリー・ラッシュと同じなら62歳。いわゆる二次元オタクで童貞。

なじみのレストランで食事を取るときはV.O.とイニシャルが刻まれた専用の食器を使う(財産家であることの証であると同時に、他人が使った食器は使いたくないという性格の表われか)。ともに食卓を囲んでくれる家族や友人、恋人は皆無(私生活は孤独)。食事の時も手袋を外さない(病的な潔癖症)。

自分がほしいと思う美術品(主に女性の肖像画)があると、鑑定士の立場を利用して不当に低く評価をし、ビリーに格安で競り落とさせ、最終的にそれを自分のものにする詐欺師でもある。

そんな時、クレア・イベットソンという両親を亡くした資産家の娘から、遺産の家具や絵画を鑑定してほしいという依頼がある。が、なぜか依頼人と会えない。最初は約束の日時に事故に遭ったとか急病だとか言い訳を重ねるが、ついにクレアは、人と会うことができず、部屋から一歩も出られないのだと打ち明ける。そんなクレアに当初は腹立たしさを感じるヴァージルだったが、なぜか少しずつ心惹かれていく……

雑感

当初は、60歳を過ぎても女性と付き合ったことがない(名画の女性しか愛せない)初老の男と、10年以上も部屋から一歩も外に出たことのない若い女性という不器用な二人の恋愛物語かと思っていた。タイトルからもそう連想させられたし、不器用な二人が、互いにツンデレを繰り返しながら少しずつ、しかし確実に距離を縮めていく様子は素晴らしいドラマになっていたからだ。

それがあんな結末になるとは……

以下、ネタバレなしに書くのは不可能なので、ここまでにする。とにかく全く予想外の結末だった。もう一度観たい。

冒頭でタイトルが英語で示され、登場人物も全員が英語でしゃべるため、てっきりアメリカ映画かと思っていたが、あとで調べてイタリア映画だったとしり、こちらも驚いた(舞台がヨーロッパなのだから、イギリス映画と考えるべきだった)。

配役

今日の英語

  1. Something wrong, Mr. Oldman? Is it something important?(どうなさいました? 重要なものですか?)
  2. He doesn't know me. But I know a lot about him.←Virgil Oldmanを知っているのか? と訊かれたClaireのセリフ
  3. Nothing personally. Believe me.(あなたのせいじゃない)
  4. How should I put it?(どう言えば……)
    • このputは「(頭の中にあることを)言葉に置き換える、表現する」の意。
  5. I'd like you to continue.(これからもそうして)←Ms. IbbetsonではなくClaireと呼んだヴァージルに対して
  6. No, I'd like to keep that.(売らないわ)
  7. Please, Virgil, don't go.(行かないで)
  8. I never abandon you.(君を見捨てはしない)
  9. I have a good teacher.(「先生」のおかげだ)
  10. "Are you on your own, Sir?" "No, I'm waiting for someone."(「お一人ですか」「いや、連れを待っている」)
    • "I'm expecting for someone." ではないかという人もいた。これだとかなり意味が変わってくる。飲食店で人を待つ時の言葉としては相応しくないように思えるが……

タイトル

「The best offer」という言葉は本作中2回登場する。1回目はヴァージルがオークショニアを務める際、目玉の出品物の前にこう宣言する。2回目は、ヴァージルから結婚について尋ねられたランバートが「結婚とオークションは似ている」と答えた時のもの。妻がbest offerかどうかは……と述べるのだ。

ヴァージル・オールドマンにとってのbest offerはなんだったのか、というのが本作の肝だと思うので、英語はいいタイトルだ。日本語にするのは難しいと思うが。

日本語タイトル

「最上の出品物」よりはキャッチーなので、これはこれで悪いとは思わないが、本質とは微妙にずれている気もする。

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