ついに観た!!「2001年宇宙の旅」

題名2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)
原案スタンリー・キューブリックアーサー・C・クラーク
監督・脚本スタンリー・キューブリック
出演ウィリアム・シルベスター(ヘイウッド・フロイド博士)、キア・デュリア(デビッド・ボーマン、ディスカバリー号船長)、ゲイリー・ロックウッド(フランク・プール)、ダグラス・レインHAL9000)、他
制作イギリス、USA(1968年4月11日日本公開)
時間141分(休憩除く)
劇場TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

経緯

高校時代に得ていた映画に関する情報は、ほとんどすべて月刊誌「ぴあ」によっていた*1。「キネマ旬報」や「スクリーン」などは全く読んでいなかった。当時の「ぴあ」は何十万部も売れている人気雑誌だったけど、手作り感、マイナー感があふれていて、それが良かった。値段も手ごろだったし。

その「ぴあ」では毎年読者投票によるベスト10を発表していた。それには「ぴあてん」と「もあてん」の二種類あり、ぴあてんはその年に新たに公開された作品から最も良かったもの、もあてんはこれまでに観たすべての作品の中から最も良かったもの、もしくは、まだ観たことがないがぜひ観たいと思っているもの、が対象だった。ぴあてんの対象は観たことのある作品だが、もあてんは観ていない作品にも投票できるところが面白い。

そして、「2001年宇宙の旅」はもあてんで10年くらい連続してトップだった。1980年前後のことだが、既に揺るぎのない、高い評価が定着していたのだ。この当時はビデオやDB/DVDなどという気の利いたものはない代わり、このくらいの人気作品になると、一年中どこかの映画館で必ず上映されている状態だったので、一度は観たいと思いつつ、焦らなくてもいつでも観られると思っていて機会を失い、結局この年になるまで一度も観ないまま過ごしてしまった。

学校を卒業してコンピュータ関連会社に就職し、その後現在に到るまで一貫してコンピュータ関連の仕事をしているのだが、この世界にいると、コンピュータはどこまで進化するか、コンピュータの知能は人間を超えるか、みたいなテーマが話題になる機会は山ほどあり、そうした時にはまず例外なくHAL9000が引き合いに出される。「2001年宇宙の旅」にそういう名前のコンピュータが登場することは知っているし、ついでにいえば「HAL」というのは「IBM」を一文字ずらして作られた名だということも知っているが、映画を観たことがないため、HALが実際にはどういう挙動をするのか知らないまま今日に到っている。

だから、一度、観たかった。そして2014年1月13日、ついに、永年空いたままだった穴を埋められる日が来た。

雑感

感想を一言で述べるのは難しいが、まず、中途半端に内容をかじらず、ほぼ白紙の状態で劇場で鑑賞できてよかったなあ、というのは本当に心から実感したことである。恐らくテレビの地上波で何度も放映されたのだろうし、もちろんビデオやDVDを買う(または借りる)という選択肢もあったのだが、それをしなかったのは正解だった。知った風な顔をして作品を「解説」するならテレビだろうがビデオだろうが見ておいた方がいいだろうが、「鑑賞」するためのベストな方法ではないはず。大切なのは内容を知ることではなく鑑賞することだと思う。

次に、一度観たいと思っていた、というのは、裏を返せば、一度観られれば満足と思っていた、という意味でもあるのだが、とんでもない誤解だった。これは10回くらい観に行くべき作品だ! 「新・午前10時の映画祭」では3つのグループに分けて同じ作品を順序を変えて上映する。「2001年宇宙の旅」は、グループCだと昨年5月下旬に、グループBだと昨年9月下旬に上映されていて、いずれも行こうと思えば行くことは可能だった。が、グループAが一番便利なので、このタイミングで観に行けばいいと思ってしまったのは失敗だった。いつ行くかではなく、すべてに行くべきだったのだ。

もちろん今回も24日まで公開されているから、まだ日はある。しかし映画のために仕事や私生活をすべて犠牲にするわけにはいかない。期間中、午前10時から時間を確保するのが可能なのは今日だけだ。まあ今回は、一度でも観られて良かったと考えるしかない。生きているうちには、まだ公開される機会はあるだろう。

何がよかったかといえば、なんといっても映像美である。特に冒頭のシーンは衝撃的で、これを観ただけで劇場へ来た価値はあったと思った。全般的に、単純にきれいだというのもあるが、宇宙空間の表現や、無重力状態での動作などは、VFXの存在しない時代にどうしてこんな絵が作れたのかと驚くばかり。特に未来的な道具(コンピュータの画像など)が、今見ても全く古さを感じさせないというのは驚異的である。これが46年前、まだ人類が月に降り立ったことがなく、月の裏側を見たことすらない時代につくられたものだとは信じられない。

ディスカバリー号HAL9000、なるほどこれがそうかとこれは見ているだけで楽しかった。あの形の宇宙船は、今では珍しくないけど、当時としては斬新だったのではないだろうか。コンピュータの知能に関しては、言いたいことは山ほどあるが、本作の感想から離れるので、ここでは触れない。

そしてもちろん、ストーリーは全くわからなかった。あのモノリスが何を意味するのかわからんし、調査のために木星に行くのはいいとして、木星に近づいた後ボウマンに何が起きたのかも全く理解できないし。だからこそまた観てみたいのだ。今回は、「おおー、これが2001年宇宙の旅かー」と思うのに忙しくて、ストーリーや、ましてその意味などをじっくり考えている余裕はなかったから。

スタンリー・キューブリックの「時計じかけのオレンジ」(1971)とか「シャイニング」(1980)とかも、観てみたいなあ。

その他

HALが誕生したのは1992年1月2日。

今日の英語

  1. Lot about you.(お噂はいつも)
  2. I'm afraid, Dave.(怖いよ、デイブ)

劇場

チケットは11日の午後に取ったのだが、その時点で既に座席の半数は埋まっていた。9時半ごろ、映画館に到着した時には既に完売。三連休ということもあるのだろうが、それなりに広いスクリーンを使用しているにも関わらずこの状態だ。これだけの需要があるのだ。

2001年宇宙の旅 [DVD]

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リンク

*1:のちに隔週刊になり、その時も一応買ってはいたが、必要な箇所を眺めるだけであまり「読む」という感じではなかった。隅から隅まで読んでいたのは月刊誌時代だ。さらにのちに週刊化するが、その時にはとっくに読まなくなっていた。