窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ついに観た!「未知との遭遇」

カリコレ(新宿シネマカリテによるカリテ・シネマ・コレクション)企画の一環で5月31日一日のみ劇場上映が実現した。知らなかったが上映前にソニーエンターテイメントの田中ひでかず氏によるトークイベントがあった。時間前に行っておいて良かった!

本作はコロンビア映画(1989年にソニーが買収)の90周年ということで企画されたらしい。「ジョーズ」に次ぐスピルバーグ監督の劇場第三作。初公開の3年後に特別版が制作・公開された。これは今でいうディレクターズ・カット版。今日公開するのはこの特別編で、DVD/BDはどちらも入手できる。

その他、当時のポスターを見せてもらったり、貴重な体験をすることができた。

題名未知との遭遇(Close Encounters of the Third Kind)
監督・脚本スティーヴン・スピルバーグ
出演リチャード・ドレイファス(ロイ・ニアリー、発電所勤務)、テリー・ガー(ロニー・ニアリー、ロイの妻)、バリー・ガイラー(ケイリー・ガフィー、行方不明になった少年)、ジリアン・ガイラー(メリンダ・ディロン)、フランソワ・トリュフォー(クロード・ラコーム、UFO学者)、他
制作USA(1978年2月25日日本公開)
時間135分
劇場新宿シネマカリテ

雑感

2001年宇宙の旅」と同じく、この作品を知らないことが小さな棘のようにずっと気になっていたのだが、劇場で鑑賞するという幸運に恵まれたことは、何物にもかえがたい貴重な体験であった。生きてて良かった。

また、こうなってみれば、なまじテレビ放映やビデオ・DVDなどで中途半端に知ることなく、白紙の状態で劇場で鑑賞できて、本当によかったと思う。

2001年宇宙の旅」と違い、なにしろスピルバーグ監督だから、わかりやすいだろうと思ったが、実は「2001年宇宙の旅」並みとは言わないけどかなりワケのワカラナイ作品であった。まあ、意味や理由ではなく、「状況」を描くことを主にしたのか。それならそれで意義はある……

うーん、自分の中では、映画そのものに感動した、というよりは、こうした歴史的価値の高い作品にじかに接する機会が持ててよかった、という方が強い。夏目漱石の「吾輩は猫である」を最後まで読了して、ああこういう話だったのかとわかり、感慨に耽る気持ちに似ている。

タイトル

Close Encounters of the Third Kindは「第三種接近遭遇」。これは空飛ぶ円盤の搭乗員と接触することを意味する。

日本語タイトル

田中ひでかず氏によると、「第三種接近遭遇」がわかりにくいと感じた秘書の人が勝手に「未知との遭遇」とリストに書いておいたら、営業会議やマーケティング会議をそのまま通ってしまい、そのまま邦題になったとのこと。名訳と言われるこの邦題は、専門家が知恵を絞って考えたわけではなく、そもそも素人の思いつきであったとのこと。なお田中氏はトークショーの前に、当の秘書ご本人にわざわざ確認したとのことだから、事実なのだろう。

Academy Award

第50回アカデミー賞の撮影賞と特別業績賞を受賞。他に監督賞、助演女優賞(メリンダ・ディロン)、編集賞美術賞、作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)、録音賞、視覚効果賞でノミネートされた。なお作曲賞にノミネートされたジョン・ウィリアムズは、同年に公開された「スター・ウォーズ」でも作曲賞にノミネートされ、そちらで受賞した。

過去記事