上質のコメディ。繰り返し観たい。「グランド・ブダペスト・ホテル」

題名グランド・ブダペスト・ホテル(The Grand Budapest Hotel
監督・脚本ウェス・アンダーソン
出演■現代/トム・ウィルキンソン(旧ズブロフカ共和国の国民的大作家)、他
■1968年/F・マーリー・エイブラハム(ミスター・モスタファ)、ジュード・ロウ(若き日の作家)、ジェイソン・シュワルツマンムッシュ・ジャン、コンシェルジュ)、他
■1932年/レイフ・ファインズムッシュ・グスタヴ・H、伝説のコンシェルジュ)、トニー・レヴォローリ(ゼロ・モスタファ、ベルボーイ)、ティルダ・スウィントン(マダム・D、資産家/グランド・ブダペスト・ホテルの常連客)、エイドリアン・ブロディ(ドミトリー、マダム・Dの息子)、ウィレム・デフォー(ジョプリング、ドミトリーの手下)、ジェフ・ゴールドブラム(コヴァックス、ホテルの代理人かつマダム・Dの相続管理人)、シアーシャ・ローナン(アガサ、パティシエ/ゼロの恋人)、マチュー・アマルリック(セルジュ・X、ルッツ城のスタッフ)、レア・セドゥー(クロチルド、ルッツ城のスタッフ)、エドワード・ノートンヘンケルス、警部補)、ハーヴェイ・カイテル(ルートウィヒ、脱獄囚)、ビル・マーレイムッシュ・アイヴァン、グスタヴ・Hを助けるコンシェルジュ仲間)、オーウェン・ウィルソンムッシュ・チャック、?)、他
公式サイトウェス・アンダーソン最新作「グランド・ブダペスト・ホテル」大ヒット上映中!
制作ドイツ、イギリス(2014年6月6日日本公開)
時間100分
劇場TOHOシネマズ日本橋(スクリーン1/128席)

内容紹介

グスタヴは究極のおもてなしを信条とするコンシェルジュで、望まれれば宿泊客の女性の夜の相手もこなしていた。貧しい移民でようやくベルボーイの仕事にありついたゼロは、グスタヴを師とも父とも慕っていた。

ホテルの客でグスタヴに思いを寄せる資産家のマダム・Dが変死を遂げ、遺言によって高額な絵画がグスタヴに相続されるが、グスタヴにはマダム・D殺害の嫌疑がかけられていた。

雑感

予告編からミステリーかと思ったが、サスペンス・コメディであった。事件の真相はほどなくわかる。グスタヴやゼロがいかに官憲の手から脱し、彼らに罪を着せようとする勢力から逃げるのか、第一次世界大戦前のヨーロッパを舞台にスケールの大きい逃亡劇をコミカルに描いている。

ゲラゲラ笑えるような爆発力はないが、全編にわたり、一瞬たりとも目が離せないほどハラハラどきどきの物語になっており、実に興味深い。

国民的作家が若い頃に聞いた話を物語る、という形式になっており、若い頃に聞いた話も老人の思い出話なので、三重構造になっている。その点が若干わかりにくいのと、「第一次世界大戦前のヨーロッパ」と言われてもその雰囲気がピンとこないのが残念である。いろいろと小ネタが詰まっているようなので、二度三度観るとそのたびに面白く感じられそうである。せめてもう一度観たいが、時間が取れるかどうか。

旧ズブロフカ共和国

架空の国だが、公式サイトにその歴史が紹介されていた。これを知っていると映画はわかりやすい。

ヨーロッパの東端に位置し、ベル・エポック時代(「ミッドナイト・イン・パリ」に出て来たぞ)には数多くの温泉リゾートがあった。そのためさまざまな宿泊施設が建てられたが、上流階級の人が集まったのがグランド・ブダペスト・ホテルであった。ケーブルカーがないとたどり着けない山の上にあるが、豪奢な建物やアラビア風呂などは当時の流行の最先端だった。

しかし戦争がはじまり、ファシストに占領され、独立国家ズブロフカは消滅。共産圏になった。圧政に泣く人々をプロセイン風邪が襲い、何百万人もの死者が出た。現在は、国民的作家が残した「グランド・ブダペスト・ホテル」という小説を読むことが、消えた国を知る唯一の手立てである……

配役

観客

かなり混んでた。