題名 | 太陽とボレロ |
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脚本 | 水谷豊 |
監督 | 水谷豊 |
出演 | ■花村の関係者:檀れい(花村理子、弥生交響楽団創立者・ファッションプラザHANAMURA経営)、石丸幹二(鶴間芳文、弥生交響楽団の支援者・中古車販売センターのオーナー)、山中崇史(畑中善行、大手百貨店のアパレルバイヤー)、檀ふみ(花村頼子、理子の母)、松金よね子(遠山典子、花村家の家政婦)、他 ■弥生交響楽団:町田啓太(田ノ浦圭介、トランペット)、森マリア(宮園あかり、ヴァイオリン)、河相我聞(片岡辰雄、副指揮者)、原田龍二(与田清、チェロ)、田口浩正(牧田九里郎、オーボエ)、田中要次(遠藤正道、ホルン)、六平直政(吉村益雄、コントラバス)、藤吉久美子(池田絹、フルート)、高瀬哲朗(菊池良太、ファゴット)、水谷豊(藤堂謙、指揮者)、梅舟惟永(ヴァイオリン)、他 ■その他:小市慢太郎(医師)、西本智実(指揮者)、カンニング竹山(市役所職員)、他 |
公式サイト | 映画『太陽とボレロ』公式サイト |
制作 | 日本(2022年6月3日公開) |
時間 | 133分 |
劇場 | イオンシネマ港北NT(スクリーン11) |
粗筋
花村理子は、奔走していた。アマチュアではあるが、18年の歴史を誇る、弥生交響楽団存続のために。
急逝した父親の事業を継ぎ、ひとり残された母親の面倒を見るため、ピアニストになることを諦めて、故郷に帰った理子にとって、弥生交響楽団は、厳しい現実を支える、大切な夢だった。3年前から、大学時代の恩師・藤堂を指揮者に迎えたものの、客足は年々遠のき、苦しい運営が続いていた。創立当時から、楽団を支援してきた鶴間とともに、役所や金融機関に掛け合うも、なかなか協力は得られない。そんな折、コンサートの最中に、藤堂が倒れてしまう。個性豊かな楽団員たちの心を、ひとつにまとめていた、おおきな存在を失くした弥生交響楽団に、不協和音が響きだす……。
ついに理子は解散を決意するが、楽団のメンバーたちに、ラストコンサートを提案する。若き楽団員の圭介やあかりも、音楽を愛する仲間の心を、いま一度合わせようと奮闘するが、バラバラになっていくメンバーの足並みは、なかなか揃わない。もはや修復不可能な状況に、皆がコンサートを諦めかけたとき、入院中の藤堂から、ビデオレターが届く。そして、ちいさな奇跡が起きた。
燃え立つような太陽が西の空に消えて、マジックアワーを迎えるとき。「ボレロ」の力強いリズムにのせて、弥生交響楽団、最後の、そして最高のコンサートが始まる!(公式サイトより)
感想
こういう出会いは映画館でしか生まれない。映画館へ行ってよかったと思った。
諸般の用事の都合をつけて、この日の午後は映画に行くと決めていた。当初は「大河への道」を観るつもりだったのだが、自分が行こうと思っていた劇場では、午前とお昼だけで、午後・夕方の興業がない。まだ二週目で、最初の週末興行でも3位か4位くらいに入っており、好スタートを切ったはずなのにこれはどうしたことか。
文句を言っても仕方がない。他の映画館という選択肢はなく、では他の作品を観ようと思った時に目についたのが本作だった。そういえばアマチュア交響楽団がつぶれる? とかいう映画の話があったな、それがこれかな、まあクラシック音楽の話だったら悪くはないだろうと、誰が出演するのかも監督が誰かも知らず、チケットを買ったのだ。
結果、いいものを観たと思った。機会があればもう1~2回観てもいいと思えた。
話もよくできていたし、役者の方もみなさんよかったのだが、まあ、なんといっても音楽が良かった。良過ぎたくらい。弥生交響楽団は町のアマチュア交響楽団なのじゃろ? しかし演奏が見事過ぎる。宮園あかりの練習風景もあったが、十分ソリストとしてプロで通用するよ……。まあ、作品としては矛盾なのだろうが、もちろん、見ている分にはその方がいいわけである。
演奏される曲も、ベト7ことベートーベンの交響曲第7番と、ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」は、「のだめカンタービレ」で何度も演奏された。前者は千秋の、後者はのだめを象徴する曲ともいえるもので、そういえば映画ではラヴェルのボレロも演奏していたな。のだめファンにはおなじみの曲で入りやすい。
天涯孤独と思われていた指揮者の藤堂に、実は身内がいた。花村や鶴間はコンタクトを取ろうとするが、内密にと言われているとのことで、病院も教えてくれない。視聴者からすると、なんで隠しているのと思うが、これには理由があった。正体が明かされてみると、それは視聴者にとってもあっと驚く人物だったから。