第11週「ワテより十も下や」(月)
放送日
- 2023年12月11日
登場人物
- 水上恒司(村山愛助)
概要
昭和18年、アメリカとの戦争に終わりが見えない中、「福来スズ子とその楽団」は地方巡業を重ねていた。スズ子は、羽鳥善一から作曲してもらった「アイレ可愛や」を歌い、相変わらず人気を博していた。そんなある日、巡業で訪れていた愛知の劇場で、歌い終わったスズ子たちの楽屋に、スズ子の大ファンだという一人の学生が興行主に連れられてやってくる。(NHKオンデマンドの解説より)
昭和18年6月5日、山本五十六の国葬が行なわれた。国民は黙祷の後、防火演習を行なう。
愛知での興行を終えて旅館に泊まるスズ子一行だが、小夜が財布の中身をなくしてしまい、支払いができなくなった。ちょうどそこへやってきた学生を小夜は泥棒と決めつけ、盗んだものを出すように問い詰めるが、スズ子が止め、学生に「言いがかりをつけて申し訳ない、一緒に食事でも」と誘う。
吹かし芋、芋の吸い物、芋飯、芋の漬物。料理は芋ばかり。その学生は大阪出身だった。
感想
新曲「アイレ可愛や」と楽団の演奏がようやく披露される。ピアノの二村はアコーディオンで。考えてみたらこの編成はベースがないんだな……。ジャズの編成だと、トリオならドラム、ベース、サックス(管楽器)、カルテットならこれにピアノが加わるのが普通だと思うが。でも演奏途中からベースが響いていたような?(笑)
小夜は福島出身であることが判明。福島と言っても広いが、どこなのだろう。小夜の言葉は自分の知っている福島弁(中通り)とは違う。福島と聞いて「野口英世とか?」と訊く楽団員に、郷土の誇る偉人ですみたいなことを答えていたが、野口英世と並ぶ(あるいはそれ以上の)有名人に星一がいた(星製薬社長、星薬科大学創業)。野口英世のスポンサーでもあり、野口が世に出るのに尽力したが、政争に巻き込まれて失脚し、歴史から抹殺されたと息子の星新一は書く。ただ終戦直後に参院選の全国区に出て最多得票で当選しているから、この時点ではまだ人気はあったのかも。
全国から引き合いがあって地方巡業が成り立っているのは結構なことだが、交通費や宿泊費がかかる上に謝礼は多くはない。財政は厳しいと言っておきながら、五木と小夜も同行しているのは疑問に感じた。それなりにやることはあるのだろうが、こんな少人数なら身の回りの世話は自分でやればいいんじゃないか。第一、事務所を空にして、巡業中に次の公演依頼があったらどうするのだろう。