題名 | ミステリと言う勿れ |
---|---|
原作 | 田村由美 |
脚本 | 相沢友子 |
監督 | 松山博昭 |
出演 | ■テレビ編から:菅田将暉(久能整)、筒井道隆(青砥成昭、大隣署警部)、尾上松也(池本優人、大隣署巡査)、伊藤沙莉(風呂光聖子、大隣署刑事)、永山瑛太(犬堂我路) ■狩集家:石橋蓮司(狩集幸長、故人)、滝藤賢一(狩集弥、幸長の子・故人)、鈴木保奈美(狩集ななえ、弥の妻)、原菜乃華(狩集汐路、弥・ななえの子)、町田啓太(狩集理紀之助、臨床検査技師・汐路のいとこ)、萩原利久(波々壁新音、サラリーマン・汐路のいとこ)、岩橋道子(波々壁新音の母)、柴咲コウ(赤峰ゆら、専業主婦・汐路のいとこ)、野間口徹(赤峰一平・ゆらの夫)、秋山加奈(赤峰幸、ゆらの子)、大鷹明良(ゆらの父)、他 ■車坂家:段田安則(車坂義家、狩集家の顧問弁護士)、松下洸平(車坂朝晴、義家の孫) ■真壁家:角野卓造(真壁軍司、狩集家の顧問税理士) ■その他:松坂慶子(鯉沼鞠子、狩集家のお手伝いさん・狩集幸長のいとこ)、ダンディ坂野(宝田完次、鯉沼鞠子の弟・役者志望)、でんでん(志波一巳、広島県警刑事)、小豆畑雅一(広島県警刑事)、松嶋菜々子(君原奈津子、パワーストーンアクセサリーのデザイナー)、木場勝己(宮島焼の窯元)、春風亭昇太(宝田完次の所属する劇団主宰者)、松本若菜(「鬼の集」朗読劇ナレーション)、他 |
公式サイト | 映画『ミステリと言う勿れ』公式サイト |
制作 | 日本(2023年9月15日公開) |
時間 | 128分 |
劇場 | イオンシネマ港北NT(スクリーン7) |
感想
10日までいろいろと忙しくて映画など見ている余裕は全くなかったが、ひと段落して、あー「ミステリと言う勿れ」見たかったなー、でもさすがに9月封切だからどこもやってないだろうなーと思って調べたらまだやっているではないか。速攻で席を予約し見に行った。見に行ってよかった。とてもよい出来だ。今年最高の一本だ(とはいえ、今年はまだ三本目なので、褒めたうちに入らないが)。
内容は原作のエピソード4(単行本2~4巻に掲載)に相当する、いわゆる「広島編」。実写ドラマを見ていた時に、なぜこのエピソードを抜かすのだろうと思っていたが、満を持して劇場版でドラマ化された。これはとてもテレビの尺には収まり切れない。前後編とする手もあるが、そうすると話がわからなくなる。まさに劇場で見るにふさわしい内容だ。
実は原作は、整くんがベラベラ喋る中の「主婦業がそんなに楽なら、男性がやりたがるはず」という例の実験の話(頻繁に中断が入ると簡単な業務も完遂が難しい)は強く印象に残ったものの、話が結構複雑で、あまりよくわかっていなかった。今回映画で見てやっとすっきりとわかった気がする。
主役は原菜乃華。「どうする家康」では千姫を演じて存在感を放っているが、本作を見事に演じ切った。汐路は女子高生なのに、二十歳の原というのは疑問に感じるところだけど。相手役(?)の松下洸平は知らなかったが、シンガーソングライターで、画家でもある。俳優としては映画「母と暮らせば」で新人賞。朝ドラ「スカーレット」ではヒロインの相手役を演じ人気急上昇の人だそうだ。
豪華俳優陣、という形容はよくされるが、本作は本当に豪華だ。松坂慶子や鈴木保奈美がチョイ役。松嶋菜々子はラストの5分だけ(でも最後を締める重要な役だが)。石橋蓮司は写真だけ。松本若菜は声だけ。贅沢な使い方だ。松下洸平を知っていたら、もっと豪華に感じられただろう。
比較的原作に忠実であり、特に不満はないが、敢えて気になったことを列挙してみる。
- テレビ編では絵画展は大阪で行なわれることになっていたが、本作では原作通り広島で開催された。テレビ編でなぜ改変されたのかは謎。
- 「久能くんは広島の人?」と汐路に指摘されるのは、映画編を超える伏線だろうが(原作でもまだ回収されていないが)、続編の制作予定があるということか? ガロ君の妹(原作では姉)の死因は不明なままだし。
- 遺産相続者が相談をしている時に、なぜいつも車坂朝晴が混じっているのかがよくわからなかった(原作では明らか)。一応、それらしいことは言っていたはずなので、もしもう一度見る機会があれば確認したい。
- ゆらが遺産の謎を解くため、幸を父親に預けていることに対し父親が苦言を呈するシーンがある。だけど、富豪の祖父がなくなり、その遺産相続人の一人になったのだ。遺言で指定された謎を解けば全財産が手に入るかも知れないという時に、「娘の世話が女の幸せ」などと呑気なことが言えようか。これが何ヵ月もということであれば「遺留分だけで十分じゃないか、いい加減にしなさい」という言葉が出てきても不思議はないが、わずか一日二日のことなのだ。これは原作でもそうだが、映画版でも解消されていなかった。
- 狩集幸長の四人の子のうち、滝藤賢一演じる弥のみがセリフも多く、目立っていて、それ以外の三人が完全にモブだったのは残念だった。原作では全員モブだから、致し方ないところではあるが。
エンドロールで筒井道隆、尾上松也、伊藤沙莉の名前が出て来た。「えっ、一体どこで出て来た!?」と驚いたが、登場場面はエンドロール終了後だった。
配役
- 松下洸平は初めて見るが、来年の大河「光る君へ」では医師の周明役で出演予定があるようだ。楽しみにしていよう。
- 町田啓太は「前田建設ファンタジー営業部」「太陽とボレロ」に出演。印象にない。「光る君へ」では藤原公任役だそうである。楽しみにしていよう。
- 萩原利久は「ちはやふる」「アイネクライネナハトムジーク」に出演。印象にない。