窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ミステリと言う勿れ」(11)

題名

  • 「ミステリと言う勿れ」第11話〔フジテレビ〕

放送日

  • 2022年3月21日

登場人物

あらすじ

久能整が、犬堂我路から教わった大阪で開催される美術展に行くことを考えていた頃、大隣警察署には新たに発生した連続殺人事件の応援要請が来ていた。青砥成昭に指名された風呂光聖子は捜査本部へと向かう。

すでに三人の犠牲者を出していたこの犯罪は、遺体を交差点の真ん中に磔のように遺棄する猟奇的な事件だ。さらに、三人目の遺体の傷口から被害者本人のものではない血液が検出される。血液はDNA鑑定で22年前に殺害された被害者と一致。羽喰玄斗による連続婦女暴行殺人事件の17人目の被害者、辻十岐子だ。18件目の殺人を犯して以来、姿を消していた羽喰がまた殺害を始めたのかと捜査本部はいろめき立つ。だが、備前島操警部は羽喰の犯行ではないと言う。部下の猫田十朱も羽喰の事件とは様相が違うと賛同。会話を聞いていた風呂光は猫田とバディを組むよう備前島に指示された。

一方、我路は愛珠の死の真相を求めて、ジュートという人物を追っていた。すると、愛珠が生前、タクシーで頻繁に倉庫街に通っていたことを知る。そこでは、不定期で闇カジノが開かれていた。カジノに潜入した我路は横田留美と知り合い、愛珠がカジノで働いていた事を知らされる。

捜査本部では遺体が一時的に折り畳まれて運ばれた可能性が上がった。風呂光と聞き込みをしていた猫田は遺棄現場付近でスーツケースを押しながら歩く少女が目撃されていると報告。そんな時、風呂光に匿名の人物から事件のタレ込み電話が入った。(公式サイトより)

雑感

原作を知らない人は面白いと思ったのではないか。複雑かつサスペンスフルなストーリー。一方、冒頭に映される死体を運ぶ少女の目元が怖くて、女には見えないこと、聞き込みに行く相手の一人が北村匠海であることで、視聴者にはある程度展開が予想がつく安心感もある。それでも羽喰十斗の正体がわかった時はそれなりに驚いた。うまい展開だ。

一方、主人公であるはずの久能整くんが登場しない。正確には、時々画面には現われるが、印象派展を見に大阪へ行く様子が描写されるだけで、今のところ事件とは全く関わっていない。これから先どのように事件に関わり、どのように謎を解くのか、それは来週のお楽しみのようだ。

さて、原作を知らない人は、風呂光のことをどの程度意識したかはわからない。存在に気づかないか、「使えねーな」ぐらいに思って終わりかも知れない。原作では本エピソードに風呂光は登場しないが、ドラマでは猫田の部下の川辺刑事の役を風呂光が務めている。その改変は別に構わないけれども、あまりにも無能に描かれていることが残念なのだ。

闇カジノが開催されていること、その場所、連続殺人事件に関わりがありそうなこと……というタレコミを受けた風呂光が、なぜ誰にもそのことを教えずに一人でカジノに向かうのか! 一人で一体何をするつもりだったのか!! その時は既に警察は内偵中で大勢の刑事が現場を押さえたからよかったが、単独行動を叱られた風呂光が、次に羽喰十斗(殺人犯)の正体に気づき、その人物に会いにいった猫田をまたしても一人で追いかけるのはいったい何故なのか! 案の定間に合わず、猫田が殺されたのを見て初めて警部に電話をかける。もし殺す前に間に合ったら、風呂光は一人で殺人犯に立ち向かうつもりだったのか……?

そもそも連続殺人事件が起きているのに、夜になると捜査本部に風呂光以外に誰もいなくなるのは不思議。

エピソード2.5なので、時系列的にはエピソード2の直後の話なのだが、「(羽喰玄斗が)18件目の殺人を犯して以来、姿を消していた」真相を、私たちは知っているはずなのだけれども、気づいた人がどれだけいただろうか。もう少しエピソード2を思い出させるような演出があってもよかったように思う。

来週は本エピソードの解決編だが、予告編によると、「つかの間のトレイン」エピソードが描かれるらしい。そんなに詰め込んだ大丈夫か。印象派展の開催を広島(原作)から大阪へ変えた理由もわかるか。



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