窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「許されざる嘘」(11)

題名

  • 「鎌倉殿の13人」第11話「許されざる嘘」

放送日

概要

鎌倉では源頼朝の新たな御所が完成。坂東武者に平家の旧領を恩賞として与えるなど着々と体制が整えられ、北条義時も慌ただしい日々を送っていた。だが、りくは頼朝のしゅうとで夫・時政の処遇の低さに不満を募らせる。一方、都では平清盛が敵対勢力の掃討に乗り出し、その苛烈さに人々が恐れおののく。そんな中、平家討伐を焦る義経は集った兄たちの前で……。(NHKオンデマンドの解説より)

頼朝は八重と義時の間を取り持ってやろうとし、政子も説得するが、肝心の八重に拒絶される。

御所が完成、以後、頼朝は「鎌倉殿」と呼ばれる。侍所を設置(1180年)、初代の別当和田義盛が任ぜられる。坂東武者に恩賞として平氏から奪った土地を分け与える。

政子は身ごもる。男を生ませるための徳を積もうと、頼朝は恩赦を実行。伊東祐親、祐清の解放を決めるが、千鶴丸の呪いを解かないと(千鶴丸に手をかけたものを処分しないと)生まれた子は早死にするだろうとの全成の予言を受け、善児に暗殺させる。

平清盛死す(1181年)。源行家は今こそ今日に攻め上り平氏を倒すチャンスだと頼朝を焚きつけるが、頼朝は消極的。義経は義円が頼朝の信が厚いことに嫉妬し、源行家に協力するようそそのかして鎌倉を離れさせる。義円が頼朝に託した手紙は破り捨てるが、梶原景時が拾い集め、義経のたくらみが発覚する……

雑感

何回か前に、和田義盛から、戦果を挙げたら侍大将にしてくれと言われて承諾していたのを忘れず、侍所の別当に任ずる。感激する義盛に、「わしは一度口にしたことは必ず守る」と頼朝は答える。

一方、伊東のじさまとその息子の恩赦を決めたあと、全成に「生かしておいては……」と言われ急遽、方針変更。表向きは自責の念に駆られた親子が自害したことになったが、関係者から見れば事情はほぼ明らか。義時は頼朝に「一度口にしたことを軽々しく変更するとは……」とくってかかる。これがタイトルになった「許されざる嘘」か?

随所にユーモアが盛り込まれているが、やっていることはかなり殺伐としているから、うまくバランスが取れている。源行家は、以仁王の令旨を持ってきた時に短く登場しただけだったが、杉本哲太が演じてまさかあの一瞬だけということはないだろうと思っていたら再登場した。よかった。と思う間もなく戦に出て敗れる。これで死んだのかと調べると、義円は死んだが行家は生き延びた模様。再々登場なるか?

義経は戦は強そうだが、性格は悪く、権謀術数に弱いことが露呈した。嘘をつくことのよしあしは別にして、こんなに簡単にバレるようでは一軍の将としてどうであろうか? 

なお、御所が築かれ、侍所が設置され、配下の御家人に領地を分け与える。これは単なる地方の一豪族ではなく、ひとつの政治機構が機能し始めたことを示している。のちに鎌倉幕府と呼ばれる萌芽がここにあることを強調しておく。
(2022-03-24 記)



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