題名 | 夕凪の街 桜の国 |
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監督 | 佐々部清 |
原作 | こうの史代 |
出演 | 夕凪の街:麻生久美子(平野皆実)、藤村志保(平野フジミ)、吉沢悠(打越豊)、伊崎克則(石川旭) 桜の国:田中麗奈(石川七波)、金井勇太(石川凪生)、中越典子(利根東子)、堺正章(石川旭)、田山涼成(打越豊)、他 |
公式サイト | 映画『夕凪の街 桜の国』OFFICIAL SITE |
制作 | 日本(2007年7月28日公開) |
- 評判になった漫画があって、それが映画化されたらしい、戦争に関する話らしいといった程度の知識はあったが、漫画は読んだことがなく、一切の予備知識なしで昨日観た。
- かなり良かった。内容も良かったし、映画としても良くできていた。当初、皆実と打越の関係が安っぽいメロドラマを見ているようで、いつまでこの話が続くのかと思ったのと、後半の田中麗奈の演技がちょっとクサかったかな、と思ったが、ラスト、父親に「お前にだけは幸せになってほしいんだ」と言われ、会ったことのない伯母(皆実)に思いをはせるシーンは涙がこぼれた。画面一杯の桜の上に田中のアップが乗る映像も非常にきれいで、映画ならではだと思った。
- 内容については改めて触れるまでもないが、原爆が投下された直後の町並みや、原爆症に苦しむ人などの、いわゆるグロテスクな部分を克明に描いて戦争の悲惨さを訴えるのではなく、きれいな画面で淡々と話を綴りながら、原爆に人生を狂わされた人の内面を描いた点が斬新で、いろいろなことを考えさせられた。
- 原爆の被害を受けたということは、誰か(原爆を落とした人)に「お前なんか死ねばいい」と思われたということ。家族を亡くしたり、身体にケロイドが残ったりということより、そうした強烈な悪意に迫られていることに恐怖を感じる皆実の姿が切なく、恐ろしかった。また、その時には生まれてもいなかった凪生が、被爆者の家系だという理由で恋人の親から交際を断わられることも。
- 旭が京花と結婚しようとする場面は驚いた。まさかわざわざ広島の女と結婚したりしないだろう、と思っていたからだ。そりゃ、フジミじゃなくたって反対するだろう。まあ、結局結婚するわけだが。旭自身には躊躇はなかったのだろうか。それにしても、高校を卒業して広島に戻り、結婚したのが33歳の時だから、15年、京花一筋ということになる。交友範囲がよほど狭かったのか(笑)。
- 吉沢悠が織田裕二に似ていてオカシかった。
- 原作の漫画の帯には、田中麗奈の写真とともに「主演・田中麗奈」と書いてあった。ええー、主演は麻生久美子なんじゃないの?