題名 | トリック劇場版 |
---|---|
監督 | 堤幸彦 |
脚本 | 蒔田光治 |
出演 | ■レギュラー/仲間由紀恵(山田奈緒子)、阿部寛(上田次郎)、生瀬勝久(矢部謙三)、前原一輝(石原達也)、大島蓉子(池田ハル)、野際陽子(山田里見)、瀬戸陽一朗(照喜名保)、 ■ゲスト/山下真司(神崎明夫、糸節村青年団団長)、芳本美代子(南川悦子、糸節村青年団副団長)、川崎麻世(安田安夫、上田の同級生で警察庁官僚)、相島一之(本郷三四郎、上田の同級生で財務省官僚)、みのすけ(駒場一路、上田の同級生で国土交通省官僚)、三宅弘城(臼井猛、第一の被害者)、大木凡人(奈緒子を解雇する支配人)、ふせえり(上田をけしかける編集者)、根岸季衣(菊姫、予言者)、竹中直人(神001)、ベンガル(神002)、石橋蓮司(神003)、伊武雅刀(長曾我部為吉、糸節村村長)、成海璃子(琴美)、他 |
制作 | 日本(2002年12月9日公開) |
2時間にも及ぶ長いドラマだったが、意外に退屈しなかった。
「交渉人」シリーズを見た時、失敗したと思ったのは、こんなにカッチリした警察ドラマを見てしまったら、まだ見終わっていない「トリック」シリーズがどうしようもなく感じてしまうのではないかと。少なくともこの映画に関してはそんなことはなかった。
もちろん、ぐだぐだな点はある。人が次々に死んでいるのに警察が一度として来ないし。怪しい村に入ってからはともかく、都会の高級料亭で人が死んでいるのに誰も警察を呼ばないのは、いかにもTRICK的。
そもそも、不思議な風習や因習が支配する、険しい崖などで外界から隔てられた村に乗り込んで、人が死んだり殺されそうになったり、というのはTRICKでは繰り返し使われた設定で、「またか」の感は拭えない。
しかし、話は思ったより起伏があり、ところどころのギャグも笑えるものが多かった。そして、奈緒子(や上田)が命をかけてあれほど苦労するにも関わらず、最後は里見がちゃっかりおいしいところをかっさらっていく展開も面白かった(もっとも、これまたTRICK2の最終エピソードとかぶるけど)。
なにより、今回はこれに尽きる、と思わせるのは、上田から奈緒子へのメッセージ:
あ い た い
い ま か ら
シ ス ラ ナ
て は い
上田は横書きで書いたのだけど、奈緒子が縦に読んでしまって、大いに照れ、「嬉しくないわけがない」などとつぶやいたのは、長年の視聴者としては嬉しい限り。しかも、殺される寸前に逃してもらえることになり、時価数億円というお宝までもらったのに、それを突っ返して村に戻ったのは残った上田が心配だからだろう。このあたりは、うひひひ、奈緒子も、口では突っ張っていても本当は……とニマニマしてしまった。