窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

偉大なるマンネリ映画「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」

題名劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
脚本蒔田光治
監督堤幸彦
出演★テレビ編からのレギュラー★仲間由紀恵山田奈緒子)、阿部寛上田次郎)、生瀬勝久矢部謙三)、野際陽子(山田里見)、池田鉄洋秋葉原人)、大島容子(池田ハル)、瀬戸陽一郎(照喜名保)
★本作で初登場の人物★松平健(鈴木玲一郎)、佐藤健(中森翔平)、夏帆(高階美代子)、片瀬那奈(杉尾園子、予知能力者)、戸田恵子(相沢天海、ベイズリー)、藤木直人(伏見達郎、不死身)、平泉成(宇田川八兵衛、村長)、三浦理恵子(松宮佐和子、鈴木の恋人、故人)、きたろう(木下権三郎、大会の実行委員長)、他
公式サイト劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
制作日本(2010年5月8日公開)
劇場「シアターTSUTAYA」

雑感

4年ぶりに制作・公開された劇場第三作。

既に多くの映画館で上映は(とっくに)終了しており、「見損なったな」と思っていたのだが、渋谷の「シアターTSUTAYA」ではまだ上映中であることを知り、観に行った次第。ふたつのシアターがあり、もうひとつのシアターではのだめの後編を上映中。こうした小劇場で周回遅れでの上映というのは高く評価したい。あっという間に上映が終了し、あとはDVDで……という今の体制には大きな疑問を感じるので。

もっとも、172席ある劇場で客は2人だけだった(僕の他にもう一人だけ)。客が集まらなければどうしようもないか。なんと来月末に閉館になってしまうそうで。

内容は偉大なるマンネリ。山田が手品を披露しても客が集まらない、クビになる、アパートの家賃が払えない、超常現象の謎解きの依頼が上田にある、上田が言葉巧みに山田を付き合わせる……。超常現象の舞台も、初期のテレビ編では都会地を含めていろいろな場所が舞台になったが、途中から人里離れた僻地が舞台と決まっているため、風景も似たりよったり。貧乳と巨根のキーワード、そこに頓珍漢刑事の矢部と習字ギャグの山田里見が絡むというお決まりのパターン。冒険が予想され、泊まりになるのは確実なのに、奈緒子の服装は常にロングスカートで、着替えは持たない。この枠の中で話を作っていくのだから、作る方も大変だろう。

声を出して笑える箇所が何か所もあり、観に来た甲斐はあった。なにしろ客が二人しかいないから、遠慮なく大きな声を出させてもらった。僕が笑ってももう一人の人が黙っていることもあれば、先方が笑ってもこちらは声を出すほどではないこともあったが、同時に声を出した時は妙な親近感を持った。

冒頭、江戸時代の夢を見ている時に、登場した蘭学者が上田だったりこと。上田次郎の再新刊「IQ200」の装丁が村上春樹の「1Q84」にそっくりだったこと。奈緒子が決闘に向かう前に、「私にもしものことがあったら、これを……」と上田に託した手紙を開けてみると、中に請求書が入っていたこと……あとなんだったかなあ。ああ、里見が「私がこの字を書いて貼っておいたら、その家は以後二度と泥棒に入られることがありませんでした」と言われて見せられた文字が「警察官立寄り所」だったのも笑えたなあ。あとは奈緒子が鈴木と対決する際、暴れん坊将軍(遠山の金さんか?)の決め台詞を言ったりとか。

「フラワーズ」を見て仲間由紀恵がめちゃくちゃ美人であると知り、ぜひスクリーンで観たいと思ったのだが、演じている役柄が山田奈緒子のせいか、きれいと思えるシーンはなかった。しかし、土砂の中から登場したシーンで、自慢の黒髪が全く汚れていなかったのはどういうわけか……