窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

いいものを観た。「聯合艦隊司令長官 山本五十六」

実に良かった。話が面白く、映画としてよくできていた。主演の役所広司も良かったが、玉木宏が光る。

題名聯合艦隊司令長官 山本五十六
脚本長谷川康夫
監督成島出
出演役所広司山本五十六)、柄本明(米内光政、海軍大臣)、柳葉敏郎(井上成美、軍務局長)、吉田栄作(三宅義勇、五十六の側近)、阿部寛山口多聞、艦隊司令官)、椎名桔平黒島亀人、先任参謀)、中村育二(宇垣纏、参謀長)、中原丈雄南雲忠一、航空艦隊司令官)、伊武雅刀永野修身軍令部総長)、五十嵐隼士(牧野幸一、五十六と同郷の零戦パイロット)、河原健二(有馬慶二、鹿児島出身の少年パイロット)、碓井将大(佐伯隆、山口出身の少年パイロット)、香川照之(宗像景清、東京日報主幹)、玉木宏(真藤利一、東京日報記者)、瀬戸朝香(谷口志津、小料理屋の女将)、田中麗奈(神埼芳江、ダンサー)、原田美枝子(五十六の妻)、宮本信子(五十六の姉)、他
公式サイト映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』公式サイト│12月23日(金・祝)より全国ロードショー
制作2011年 日本(2011年12月23日封切)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

雑感

この時代はよく知らないので、どこまで史実なのかはわからない。ただし、映画作品として見た時、設定がうまいと思った。

  • 山本五十六(と井上成美)は、できれば戦争は避けるべきと考えていること、三国同盟を結べばアメリカ合衆国を敵に回すだけだが、アメリカと日本の国力の差を考えると勝ち目は薄いと判断していること、どうしてもアメリカとの戦争が避けられないものであるなら、緒戦で相手を叩き、即座に講和に持ち込むことが必須(期戦・消耗戦になったらとてもかなわない)という意見であること
  • しかしそのような意見は少数派で、軍の上層部はイケイケだし、新聞も煽りたて、さらに一般の国民もそのことに疑問を持たず、むしろ同調する人が多いこと。小料理屋「志津」の客の会話が世論代表ということなのだろうが、「景気が悪いから戦争になってほしい」「日本は元寇にはじまり、日清日露と連戦連勝。アメリカだろうがどこだろうが、負けるわけがない」などと平気で口にする。
  • イケイケ新聞社の中で、唯一、真藤利一だけが社の姿勢に疑問を持ち、新聞の使命は世論を誘導することではなく、真実を伝えることなのでは? と述べること。若造が一人こんなことを言ったところで社の雰囲気が変わるわけではないが、臆せず意見を言うことが大切なのだ。彼の役回りは映画を観ている観客の代弁なのだから。

役所広司は風格もあり、さすがであるが、副主人公といっていい玉木宏が、おいしい役回りではあるが、役所広司に勝るとも劣らない存在感を示しており、カッコいいと思った。人気ドラマ・映画「のだめカンタービレ」で主役を張った上野樹里玉木宏、その後に大きく差が開いたなー。

時代を感じさせる演出として、登場人物がやたらに煙草を吸っていた。確かにそういう時代だったのだが、役者も喫煙者ばかりではないだろから、非喫煙者はつらかったんじゃないだろうか。

リンク