窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

爆笑コメディ「テルマエ・ロマエ」

原作の小ネタも割と忠実に映像化していると同時に、オリジナルキャラが結構キュートで、かつ、笑える話になっている。久しぶりに封切初日に観たが、混んでいて、笑える箇所では場内が爆笑の渦に巻き込まれるなど、楽しく盛り上がった。これは劇場で観るもうひとつの魅力だ。もっとも、時間ぎりぎりに映画館へ行ったため、いい席が取れなかったのは残念だったが。

題名テルマエ・ロマエ
原作ヤマザキマリ
監督武内英樹
出演阿部寛(ルシウス)、市村正親ハドリアヌス、第14代ローマ皇帝)、北村一輝(ケイオニウス、次期皇帝候補)、宍戸開(アントニヌス、ハドリアヌスの側近)、勝矢(マルクス、ルシウスの友人)、上戸彩(山越真実)、キムラ緑子(真実の母)、笹野高史(真実の父)、竹内力(湯治客)、内田春菊(漫画家)、蛭子能収(真実の上司)、松尾諭(真実の見合い相手)、桜井千寿(金精様にのる女性)、いか八朗(銭湯の客)、森下能幸(?)、他
公式サイト大ヒット上映中! 映画『テルマエ・ロマエ』公式サイト
制作日本(2012年4月28日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

粗筋

古代ローマの風呂建築技師・ルシウスがタイムスリップして現代日本に来てしまい、そこで見聞したことを持ち帰ってローマに独創的な風呂を建てる、というストーリーは原作そのまま。タイムスリップする時に若干の映像的工夫が凝らされているけど。

映画オリジナルの山越真実は、昼間は東洋陶器(TOTO)のショールームに勤務する派遣職員で、漫画家を目指している。ジャンルは顔に似合わず(?)男(「漢」と書いた方がいいのか?)の格闘漫画らしい。「北斗の拳」を下手にコピーしたみたいな漫画を書いて師匠(アシスタントでもしているのか)に見せるが、「全く才能がない。実家に帰って親孝行でもしていたら?」と辛辣な評をされてしまう。

この漫画家の背中の本棚に内田春菊の「水物語」オリジナル単行本全4巻が揃っていて、しぶい品ぞろえだと思ったが、あとでエンドロールを見て内田春菊が出演していたのを知り、あの漫画家がそうだったのかと思い到った。

ルシウスはあちこちの風呂場に出現するのだが、なぜかいつも真実の近く。TOTOショールームに登場した時は真実が彼氏を連れ込んだと誤解されて(普段から睡眠時間を削って漫画を描いているためか、いつも眠そうにていいてやる気がない、ということもあり)解雇されてしまう。

仕方なく実家に帰るのだが、実家は温泉旅館を経営。しかも何年も赤字続きで、間もなく閉めざるを得ないという。まあ、しゃかりきになって働いているのは母親だけで、父親は湯治客と一緒に温泉に浸かって騒いでいるだけだから、さもありなんという気もするが……

もちろん、ここにもルシウスは登場する。真実はルシウスに惹かれ、異性としてもほのかな恋心を抱いたようだが、この人をネタに漫画を描こうという意欲に燃え、次に登場した時は意思疎通ができるようにと、ラテン語とローマ史の猛勉強を始める始末。その甲斐あってルシウスとの会話がちゃんとできるようになるが、ルシウスとともに今度は真実が古代ローマへとタイムスリップしてしまう。その上、真実の父や湯池客たちもあとを追って古代ローマにきてしまうのだ!

真実たち日本人の機転とアイデアにより、古代ローマで迎えたルシウス最大の危機も乗り越えることができ、それを見届けると真実たちも現代に戻ってくるのだった……

感想

案外映像化の難しい作品と思うが、うまくできていた。原作ファンもさほど違和感を抱かないと思うし、楽しめる箇所もいろいろ(ルシウスが初めて日本に登場する時に、そばにいたおじいさん――いか八朗――がヤマザキマリの描く男性にほんっっっとにそっくりで笑える)。原作を知らない人も楽しく観られると思う。真実の下手くそな東北弁(ぽい田舎言葉)はいただけないが(普通の言葉でいいじゃん。温泉たって全国にあるんだし)。

原作にはない、古代ローマ史をさらりと説明してくれたのもよかった。あれはわかりやすい。

最後のオチは書かない方がいいのかな。真実が漫画家として成功しそうな予感を与えたところで終わりというのも良かったと思う。ただ、真実の実家の温泉旅館がどうなったのかは気になった。ここまで話を作るなら、真実の親父さんもローマ体験で得たことをヒントに旅館経営を立て直す……そんな予兆があっても良かったのでは。

余談

上戸彩の入浴シーンは必見! 巨乳が垣間見れる! という噂を耳にしたが、確かに入浴シーンはあったけど、到って健康的な入浴で、期待するようなシーンはありませんでした。ついでにローマに行ってローマ人の衣装を身にまとい、街を走り回る時も、なんらかの形で胸当てをきちんとしていたのだろう、特に胸がゆさゆさ……ということもなかった。そーゆーことを期待した人は期待外れに終わる可能性大です。(^^)

配役

桜井千寿はTVドラマ「のだめカンタービレ」のR☆Sオケでフルートを吹いていた相沢舞子。最後のクリスマス公演でちょっとだけ出番があって、可愛い人だと思っていた。「ガリレオ」第七話にもゲストで登場。

リンク

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

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