ジョディー・フォスターが黒い権力者「エリジウム」

今月15本目。今年75本目。

題名エリジウム(原題:Elysium)
監督・脚本ニール・ブロムカンプ
出演マット・デイモン(マックス・ダ・コスタ、余命5日)、アリシー・ブラガ(フレイ、マックスの幼馴染・看護婦)、ディエゴ・ルナ(フリオ、マックスの友人)、ヴァグネル・モーラ(スパイダー、エリジウムへの密入国組織のリーダー)、ジョディ・フォスタージェシカ・デラコート、エリジウム防衛庁長官)、ウィリアム・フィクナー(ジョン・カーライル、アーマダイン社CEO・エリジウムの設計者)、シャールト・コプリー(M・クルーガー、CCB(民間協力局)所属の傭兵)、他
公式サイトエリジウム- オフィシャルサイト
制作USA(2013年9月20日日本公開)
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

内容紹介

2154年人口爆発などの影響により地球環境は悪化の一途をたどっていた。一部の富裕層は宇宙空間に緑にあふれた「エリジウム」を建設し移住。地球はスラム化が進んでいた。

ロサンゼルスに住むマックスは、アーマダイン社の工場で働いていたが、事故で強い放射能を浴びてしまい、余命5日と診断される。エリジウムの医療機器なら治せるが、地球にいては死を待つだけ。そこで、強引にエリジウムへの侵入を試みるが……

雑感

近未来、富裕層と貧民層の乖離はいっそう顕著になり、そのためさまざまな理不尽がまかり通るようになる……というのは、最近のハリウッドのひとつの傾向だが、こうした貧富の差の増大をよくないこととして捉え、警鐘を鳴らしているつもりなのだろうか(そうは見えないのだが)。

貧富の差によって、どうしたってさまざまな場面で差別されるようになるのは仕方のない面はある。つまり、お金がなければおいしいものは食べられないし、十分な医療も教育も受けられないし、きれいな家に住むこともできない。だからといって命の価値までが変わるわけではないだろう(少なくとも建前上は)。

マックスが理不尽な労働を押し付けられ、その結果事故に遭い被曝するのは気の毒な話だが、少なくとも会社は何らかの補償をするべきだと、マックスは主だろうし会社側だって思うのではないか。それとも法律で決められた安全基準を守っていないから、表沙汰になると困るので、もみ消そうとするか。でもそれなら、いくらかのお金を渡して口止めをするだろう。実際にはそんなことはなかったから、貧乏人がいくら訴えてもダメなんだろう。

しかし、エリジウムの医療器にかければすぐに健康になることがわかっているのであれば、ちゃっちゃっとエリジウムに連れてきて手当をさせるぐらいのことはするだろうに(というか、地球にだって備えておくだろう。たとえばアーマダイン社の社長室の隣とか)、なんでここまで貧民の命を軽視して平気なのかがわからない。これでは奴隷制の時代より悪いではないか。

カーライルがシステム・プログラムを修正後、なぜコンパイルせずソースで持ち歩いていたのかが不明。その後マックスらがプログラムを書き換えた後、コンパイルしている様子がなかったから、これはインタープリターなのか? エリジウムのシステムを管理する最重要なプログラムが(守秘性の低い)インタープリター!? その上、システム側の(適当な)マシンにデータをコピーするだけで勝手にリブートされてしまうのは何ともお粗末。「インストール」もされていないし、さらにどのようなシステムだって、リブートするにはそれなりの手順が必要なはず。このあたりは、真面目にやっても一般の観客はわからないからエンタメ的に話を作ったということなのかも知れないが、突っ込みどころ満載。

マックスとフレイの関係も、いろいろ思わせぶりに出てきたが、これで終わり? 張った伏線は回収してほしいものだ。

今日の英語

  1. "I'm authorizing you."(「私が許可します」)
  2. "I've got a jam."(「ドアが開かない」)
  3. "This is priceless."(「金の問題じゃないんだ」)

英語タイトル

Elysiumは元はギリシア神話に登場する、善人が死後に住む至福の地である。転じて、理想郷のことを指す。知らなかった。

配役

(2013/09/29 記)