窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

パラレルワールドの忠臣蔵「47 RONIN」

題名47 RONIN(原題:47 RONIN)
監督カール・リンシュ
出演キアヌ・リーブス(カイ、鬼子)、田中泯浅野内匠頭赤穂藩藩主)、柴咲コウ(ミカ、浅野家の姫)、真田広之大石内蔵助、赤穂の侍筆頭)、赤西仁大石主税、内蔵助の子)、羽田昌義(ヤスノ、魔獣狩りの際カイの手柄を横取りした)、浅野忠信吉良上野介、赤穂の地を狙う)、菊地凛子(ミヅキ、吉良の側室)、ケイリー=ヒロユキ・タガワ(徳川将軍(綱吉?))、他
公式サイト映画『47RONIN』公式サイト 大ヒット上映中!
制作2013 USA(2013年12月6日日本公開)
時間121分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

内容紹介

浅野内匠頭は徳川将軍を赤穂の地に招くことになった。赤穂の地を乱そうと、吉良上野介は側室のミヅキを通じて赤穂の地に魔獣を放つが、浅野は決死隊を組んで魔獣の討伐を行ない、無事将軍の来訪日を待つことになった。将軍に同伴して吉良も赤穂入り。ミヅキは催眠術で浅野をたぶらかし、吉良を襲わせる。とらえられた吉良は将軍直々の裁定により切腹を申しつけられる。大石内蔵助以下の重臣はクビ。赤穂藩は吉良の預かりとなり、喪の明けた一年後、ミカは吉良の嫁になることで両家の和合を図ることとなった。

大石は一年間地下牢に閉じ込められるが、牢から出るや、仇討ちを近い、昔の仲間を集め、吉良を討つべく準備を進める……

雑感

忠臣蔵のリメークだが、舞台はいったいどこの国なのだろうか。冒頭で日本と明言されてはいたが、登場人物の着物、髪型、あるいはお城の作りなどは日本のものとはかけ離れている。中国風、あるいは韓国風であろうか。これだけ日本人の役者が出演していて、誰も異を唱えなかったのかと思うが、ハリウッドの認識する日本はこんなものなのか、と思うと残念である。それとも、これはパラレルワールドの日本であり、わざと実在の日本と変えているのか。

事件の起きる場所もわかりにくい。将軍が吉良を連れて赤穂にやってくる。最初の浅野による吉良襲撃(未遂)が行なわれるのは赤穂。大石が地下牢から出てきた時、カイは出島に売られていた。仲間に引き込むべく大石は出島に赴くが……この出島は長崎の出島か? 兵庫〜長崎を往復した? それから大石らが赤穂で吉良を襲撃し、死に至らしめたあと、将軍の元で裁かれるが、将軍が再び赤穂の地まできたのか? それとも皆で江戸まで出かけたのか? 切腹はどこで行なったのか? 自動車も鉄道もない時代、この空間移動はわかりにくい(史実の忠臣蔵はすべて江戸で行なわれている)。

ついでに、史実では浅野の方が吉良よりずっと若い(刃傷沙汰を起こした時、満年齢で浅野は33歳、吉良は59歳)が、役の上では田中泯が68歳、浅野忠信が40歳と逆転している。これもわかりにくい要因のひとつ。

そこら辺はアレだが、外国人とのハーフであるカイを鬼子といって差別したり、差別していたカイが活躍するとその功績を認めたりするあたりはベタだが面白いし、討ち入りの場面の派手なアクションは見応えがあった。

配役

  • キアヌ・リーブス以外はほとんど日本人なのに全員英語でセリフをしゃべっているのが異様。当然のごとく字幕版で観たのだが、吹き替えは本人がやっているようなので、吹き替え版の方が良かったか。
  • 羽田昌義は「終戦のエンペラー」で通訳を務めた人。

日本語タイトル

いくらなんでも原題と全く同じとは芸がない。せめてカタカナに変えるくらいのことはしてくれないと、検索がしにくい(日本語の記事をメインで見たくても「47 RONIN」で検索すると英語のサイトがバシバシ引っ掛かってしまう)。

劇場

レイトショーだったせいもあるけど、鳴り物入りで公開されてまだ2週間も経っていないというのに、観客は2人(自分の他はもう一人だけ)。週単位で新作映画に宣伝のほとんどのリソースを投入し、公開された途端に陳腐化していくのはなんとかならないものか。

今日の英語

  1. You're always worried.(心配性だな)
  2. Everyone has his weakness. Asano has a daughter.

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