窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「唐入り」(38)

題名

  • 「どうする家康」第38話「唐入り」

放送日

  • 2023年10月8日

登場人物

概要

天下統一を果たした秀吉は、次の狙いを国外に求めた。江戸開発にいそしんでいた家康をはじめ諸大名を肥前名護屋城に集め唐入りを命じる。朝鮮に渡った加藤清正たちから連戦連勝という知らせが届き、秀吉はご満悦だが、家康は苦戦を強いられているという裏情報をつかむ。家康は石田三成とともに渡海しようとする秀吉を必死に止めようとする。そんな時、家康の前に茶々が現れる。(公式サイトより)

秀吉は、朝鮮を征服したら次は唐、ここに大坂以上の都を築き、いずれは天竺をも手に入れる、褒美は無限だと上機嫌で大名たちを焚きつけるが、足許が危ういことを確認した家康は必死で諫める。秀吉が海を渡ったら生きて帰れる保証がない、秀吉が死んだら再び天下は乱れる。また茶々は遠ざけるべきだと。それに怒った秀吉は、徳川などいつでも滅ぼせると言い返し、一触即発状態。そこへ元将軍・足利義昭がやって来て、「わしも将軍職にあった時はすべてが見えていると思っていたが、何も見えてはいなかった」と話し出す。毒気の抜かれた秀吉は、家康がうらやましかったと呟き、唐入りを撤回し茶々を大坂へ戻す。

雑感

義昭の登場は見事。将軍時の情けなさは、酷いもので、信長はなぜこんな人間を将軍として奉じたのか疑問だったが、今秀吉に説教のできる人間は義昭しかいない。今の秀吉は、当時の義昭と同じくらい醜いからだ。そして、醜くなる前の義昭は、信長が認めたようにひとかどの人物であったのだろう、と確信させられる態度だった。

茶々が、秀吉から、自分が不在の間は前田利家を頼るようにと言われたにも関わらず、「家康さまを頼るように言われました」と家康に近づき、「なぜ母を救いに来てくれなかったのですか」と問い詰めるシーンは迫力があった。お市と同じ顔をした女に、なぜ見殺しにしたのかと言われた家康は、答えに窮しただろう。北川景子が二役を演じているからこその怖さである。ただし生き方は対照的。市は武士道精神を体現したような人物だったが、茶々は、女であることを最大限に生かそうとしている。この対照も、同じ顔だからこそ恐ろしい。

この直後の茶々vs阿茶の対決も見物だった。阿茶は狐退治に成功。才媛ぶりを見せつけた。

大政所(仲)の最期。「あれ(秀吉)は自分が何がほしいのかわからなくなっている。あんな子を産んでしまって申し訳ない」と言いながら息を引き取った。哀れな最期だった。

戦勝報告に沸き立つ中で「唐入りなど馬鹿げている!」と言い放った浅野長政は、よく死なずに済んだものだ(のち五奉行)。

服部半蔵、朝鮮での苦戦ぶりを探り出すなど、結果的には活躍したのだが、指笛が吹けないとか、要所でドジる。相変わらず愛すべき人物である。

四天王で本日登場したのは本田忠勝のみ。それぞれ領地を与えられ、殿の側にはいないから、だんだん登場回数が減って来るかな……


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