窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

またまたおバカな映画!「チームバチスタFINAL ケルベウスの肖像」

観ようかどうしようかさんざん迷ったのだが、観てよかった。これも抜群に面白かった。

題名チームバチスタFINAL ケルベウスの肖像
原作海堂尊
監督星野和成
出演■国際Aiセンター/仲村トオル(白鳥圭輔、厚生労働省)、生瀬勝久(東堂文昭、マサチューセッツ医科大学教授)、他
■東城大学医学部付属病院・特別愁訴外来/伊藤淳史(田口公平、医師)、名取裕子(藤原真琴、看護師)、利重剛(三船大介、事務長)、渡辺金之助(バカリズム、副作用を疑う患者)、他
■東城大学医学部付属病院・救命救急センター西島秀俊(速水晃一、部長/ジェネラル・ルージュ)、松坂桃李(滝沢秀樹、研修医)、木下隆行(佐藤伸一、副部長)、戸次重幸(長谷川崇、救命医)、加藤あい(和泉遥、救命医)、他
■その他/桐谷美玲(別宮葉子、医療ライター)、中村靖日(玉村誠、刑事)、栗山千明(桜宮すみれ、地方病院「碧翠院」院長の次女)、中村育二(南雲忠義、「極北青藍院」院長)、二階堂智(榊陽一、生き残りの被害者)、国広富之(室田芳郎、市長)、中丸新将船橋直樹、白鳥の上司)、有森也実船橋律子、直樹の妻)、品川徹(根本、ケルトミン薬害の被害者)、大沼百合子(西園美枝子、別宮葉子の母)、他
公式サイト映画『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』2014.3.29 ROADSHOW
制作日本(2014年3月29日公開)
時間126分
劇場TOHOシネマズ 川崎

内容紹介

海堂尊の小説バチスタシリーズは、2008年および2009年に、竹内結子阿部寛主演で映画化されたが、本作はそれとは別。関西テレビが制作し、シーズン4まで続いた人気ドラマの映画化である。劇場版はシリーズ初にしてファイナル。ちなみに東宝の映画は二作とも中村義洋(「白ゆき姫殺人事件」の)が監督らしい。奇妙な偶然。

雑感

予習なしで観ることに躊躇があったのだが、迷った時は観ようと決意。結果は観て良かった。桜宮すみれの登場は、過去にいろいろあったぽいがそれはわからん。加藤あいの和泉遥は、割と大きく名前が出ている割に映画ではろくにセリフもなかったが、テレビ版の主要人物で顔見せに登場したといったところだろう。

仲村トオルは、1986年に「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌」を観て以来だから約30年ぶりの再会になるが、こんな役者になっていたとは。とにかく彼の芸は観ていて飽きない。この白鳥圭輔というキャラに出会えただけで、この作品は観て良かったと思った。

タイトルにおバカと書いたのは、もちろん褒めているのである。恨みに思った人を個人的に殺すのならわからなくはないが、確実に殺すために大きな病院の入院患者をすべて人質に取り、他の人が巻き添えになっても構わないと考えるのは正気の沙汰ではない。また、病院が危機状態で一人でも医師の手がほしい時に、田口医師が探偵の真似事をして犯人探しに奔走するのもおかしな話である。しかし、こうした現実離れした話運びはファンタジーなればこそで、本作の瑕疵にはならない。

話が輻輳していて先が読めなかったため、十分サスペンスフルであったし、9人の医薬関係者を殺した犯人と白鳥の対峙のシーンは見応えがあった。

予習をしていなかったのは残念だったが、面白い作品に出合えてよかった。これから復習してみるか……

余談

コンピュータウイルスを出しておけばなんでもできると言わんばかりの描写は、いつものことながら唖然とする。一応コンピュータの素人ではない人間として、あれはあくまでファンタジーの中の出来事であることを述べておく。現実社会では……

  • 病院の医療用システムが外部ネットワークに接続されているなんて、そんなアホな。セキュリティ上、絶対にネットワークは分ける。クローズドなネットワークに外から侵入することはできず、中に入れるのならウイルスなんて手間のかかるものをばらまく必要はなく直接操作すればいい。
  • いくらウイルスでも、プロジェクタで写された画面を乱れさせるなんて、ムリ。あれはコンピュータ自体がウイルスにやられたということなのか? でもなんで東堂のノートPCがウイルスに感染するの?
  • ウイルスは最終的にはシステムをリブートすれば消せる。ウイルスは機器を誤作動させることはできるが、機器そのものに損傷を与えることはできない。だからMRIリヴァイアサン」が壊れたからAiセンターも頓挫し藤堂が大学へ戻る……という成り行きが全く理解できない。
  • ウイルスを作るにも高度なプログラミングの知識がいる。犯人が自分で作れるとは思えないが、共犯がいた様子もない。誰が作ったの?