面白かった部分と、がっかりな部分と……「花燃ゆ」第5話「志の果て」

今回は麻生祐未の回。ヒューマンドラマとしては面白かったが歴史ドラマとしては……

出演

粗筋

身分の低い金子重輔は岩倉獄に入れられた。母のツルが心配して面会にくるも当初は認められず。が、のちに、看病をしろと中へ入れられる。獄の劣悪な環境も相俟って、金子の病状は悪化。命の灯は消えかけていた。ツルは、地元の商家を継いでいればこんな目に遭わずに済んだものをと寅次郎を恨む。しかし当の金子は、虫の息の下でも寅次郎を慕い、どこまでも付いていくと述べるのだった。

一方、身分の高い武士専用の野山獄へ入れられた寅次郎は、外には出られないものの、中を歩き回ることも、本を自由に読むこともできた。この時寅次郎は猛烈に読書に勤しんだとされる。さらに他の囚人と交流を持とうとするが、富永有隣は交流を拒む……。

雑感

ツルは、前回チラと姿が見えたが、本格登場は今回から。そして恐らく今回限りで退場だろうが、これまでの5話の中でも屈指の存在感があった。母としては、世の中の動きも息子の志もわからない、ただ生きていてほしい、そばにいてほしいという心情が痛いほど伝わってきた。麻生祐未もよかったが、このパートはドラマとしてよくできており、関係者の演技も光った(名乗りたくても名乗れない文とか)。

その一方で、ひとつだけ文句をつけたい。野山獄へ訪ねて来た文が寅次郎に詰め寄る場面がある。寅次郎の行動によって家族も周囲もみんな迷惑を蒙っている。百合之助はあやうく切腹を申し付けられるところだったし、梅太郎は職を解任された。そんな風に周囲を犠牲にしてでも兄上はなぜあんなことをしなければならなかったのか。兄上の義はどこにあるのか、と。

そう言われた寅次郎が言葉に詰まるのだが、これは信じられない。もちろん寅次郎には寅次郎の義があるのだ。そしてそれは、身の回りのことしか考えない(考えられない)人々よりはるかに広く、はるかに先を見通してのことだったはず。なぜそれを説明しないのだ。文に対して。いや視聴者に対してだ。これでは自分の個人的な思い込みによって身勝手な行動をするだけの人物にしか見えない。こういうことに対して説明がなければ、歴史ドラマとして成り立たないではないか。

その他

  • オープニングロールのトメは高橋英樹。なるほど。
  • 寿の立ち居地が、「寅に振り回される家族の中で、正論を吐く」と変わってきている。これまでがこれまでだから、憎まれっ子的存在になりかけているけど、好感が持てるようになってきた。

(2015/2/8 記)

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