窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

今回もビミョー。「花燃ゆ」第6話「女囚の秘密」

今回は井川遙の回。ヒューマンドラマとしては面白かったが……

出演

  • 川島海荷高須糸、久子の娘)
  • 品川徹(大深虎之丞、野山獄の囚人)
  • 日野陽仁(吉村善作、野山獄の囚人)
  • 土平ドンペイ(志道又三郎、野山獄の囚人)
  • 村松利史(河野数馬、野山獄の囚人)
  • 小浜正寛(井上喜左衛門、野山獄の囚人)
  • 渡部遼介(弘中勝之進、野山獄の囚人)

粗筋

高須久子は、亡くなった父の遺品を貰い受けたいと、寅次郎に面会に来た梅太郎を通じて文に頼み、高須家へ使いに行ってもらう。が、何度訪ねても高須家では文の話を聞くことを拒絶。やがて娘の糸が野山獄へやってくる。「この者は母ではありません。この女は夫が死んだ寂しさから、気に入りの三味線弾きを夜な夜な家に引き入れた挙句、密通に及んだのです」。

しかし文は悟った。久子は遺品がほしかったのではない。しつこく使いを送れば、怒った糸が拒絶を宣言するためにわざわざ獄へ会いに来るだろうと思ったのだ。そうでもしなければ、娘に会う方法はなかったのだ。母の気持ちを知らされた糸は、「私は生涯あなたを憎みます。憎んでいる者のことは忘れないでしょうから……」と言って去る。

寅次郎から送られてきた荷物の中に達筆の手紙があった。その文字に感銘を受け、かつ、使っている筆の先が磨耗していることに「気づいた文は、その文字の主(富永有隣)に筆をプレゼントする。贈り物に感激した富永は、他の囚人に向かい、望む者がいたら書の手ほどきをしてやってもよいと告げ、多くの囚人が富永に書を習うようになる。それをきっかけに野山獄では、互いに互いの知識や技術を伝え合う勉強会が始まった……

雑感

井川遙の名前はかねがね知っていたが、演技を見るのは初めてだ。その美貌に加えてセリフ回しも、娘に対する思いのあふれた深みのある演技も、見事であった。ただし、ひとつだけ惜しかったのは、あの喋り方は現代劇のそれであり、時代劇のものではなかったことだ。ともあれ、娘との再会と別れは、ドラマとしては見事。

一方、野山獄が勉強会に発展していくそのきっかけは文が作ったことになっている。いやはや。いくらなんでもそれはないだろう。文はただの語り部で、本人は何者でもないのだから、何もしなくていいんだよ。傑物であったはずの寅次郎が、文の前ですっかり霞んでいる。歴史ドラマとしては(この作品を歴史ドラマというなら)大きなマイナスだろう。
(2015/2/22 記)

花燃ゆ 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

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