窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

成海璃子渾身の演技……とはいうが……「無伴奏」

題名無伴奏
監督矢崎仁司
原作小池真理子
出演成海璃子(野間響子、高校生)、池松壮亮(堂本渉、響子の恋人)、斎藤工(関祐之介、渉の親友)、遠藤新菜(高宮エマ、祐之介の彼女)、松本若菜(堂本勢津子、渉の姉)、光石研(野間幸一、響子の父)、藤田朋子(千葉愛子、野間幸一の妹・響子の叔母)、他
公式サイト映画『無伴奏』公式サイト
制作日本(2015年3月26日公開)
時間132分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜(スクリーン2/126席)

粗筋

1969年、学生運動の波は大学生のみならず高校生をも巻き込んでいた。女子高生・野間響子も、制服反対闘争委員会を組織してみたり、卒業式を粉砕してみたりするが、デモに参加し機動隊と揉み合って怪我をしたのをきっかけに、急速に熱が冷めていった。所詮、若さゆえの焦燥感や欲求不満をぶつけていたに過ぎず、何らかの信念や政治的思想に突き動かされてのことではなかったのだ。

そんな折、音楽喫茶で堂本渉という大学生と知り合う。以後、渉の親友の関祐之介、祐之介の恋人であるエマの四人で始終つるむようになる。響子は本当は渉と二人だけで過ごしたいと思っており、なぜ渉と祐之介が親友なのか理解できなかったが、……

雑感

最初に述べておく。本作は、成海璃子が初めて大胆なベッドシーンに挑戦したとの前評判であったが、下着姿はちらりと見えるものの、乳首はもちろん、お尻も全く映されることはない。スクリーンに映らないだけではなく、胸は腕でしっかりガードしているし、相手役の池松壮亮ですら、胸は全く触っていなかった。そんなもんだろうとは思っていたけれど、だったらベッドシーンなんてやらなければいいのに。ま、この作品からベッドシーンを抜くことはできないか……。遠藤新菜も初ヌードだそうだが、こちらの方がよほど気持ちよい脱ぎっぷりだった。

で、映画の感想。退屈である。いつになったら終わるのか、後半はだんだん疲れてきて、何度も時計を見てしまった。132分も必要だったのだろうか。110分くらいに縮めれば、テンポもよくなり、もっと観れたのでは、とも思うが、よくわからない。

成海璃子は、大河ドラマに出て来た時には、うまい! かわいい! と印象的で、松田翔太との美形カップルをほほえましく眺めていた記憶があるのだが、あのドラマは独特なテンションで、出演する役者さんがみな素晴らしい演技をし、それがまた相手役の潜在的な力を引き出し、……の相乗効果で異様にレベルが高かったから、それで勘違いをしてしまったか。

池松壮亮は、ベッドシーン役が多い。初めて知った「愛の渦」から、「海を感じる時」「紙の月」と続いている。相手に対する気持ちよりもとりあえずヤリたい、という若い男にありがちな雰囲気をよく醸し出しつつ、かつ、あまりいやらしくないから重宝がられるのだろう。ただ、池松が女を抱いているシーンを見ると、ああ彼は、口ではなんと言おうが別にこの女が好きというわけではないんだろうな、と思えてしまうのはいいことなのかどうか。本作に関しては、まさにその通りだったわけだが。

原作の小池真理子は、直木賞を取るまでは好きな作家で、文庫で出たのはすべて揃えたはず。当然、本作も読んでいるはずだが、全く思い出せなかった。最近は記憶力がとみに落ちてきて、数年前に読んだ本の内容を覚えていないこともあるので、自分の問題かも知れないのだが、思い出せないほど原作を改変しているのだろうか。
(2016/4/17 記)