窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「男はつらいよ お帰り寅さん」

事前情報から想像していたのとは違い、期待よりも良かった。

題名男はつらいよ お帰り寅さん
監督山田洋次
出演■登場歴あり/渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、前田吟(諏訪博)、吉岡秀隆(諏訪満男)、美保純(朱美)、佐藤蛾次郎(源公)、浅丘ルリ子(リリー)、後藤久美子(及川泉)、夏木マリ(原礼子、泉の母)、他
■初登場/桜田ひより(諏訪ユリ、満男の娘)、池脇千鶴(高野節子、編集者)、カンニング竹山(飯田、編集長)、出川哲朗(出版社社員)、北山雅康(カフェくるまや店長)、濱田マリ(満男がサイン会をした書店の客)、橋爪功(及川一男、泉の父)、笹野高史(御前様)、小林稔侍(窪田)、立川志らく噺家)、他
公式サイト新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』公式サイト|松竹映画『男はつらいよ』公式サイト| 松竹株式会社
制作日本(2019年12月27日公開)
時間116分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン5)

あらすじ

満男は泉ではなく別の女性と結婚し、娘をもうけていた。が、その妻は亡くなり、七回忌の法要のシーンから物語は始まる。満男はサラリーマンをやめ、小説家に転身している。泉はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で勤務し外国暮らしを続けているが、仕事で日本に来た時に満男がサイン会をやっているのに気づき、……

雑感(ネタバレあり)

日本映画史上に残る偉大なるシリーズ作だから、ということと、山田洋次は現在88歳、あと何作撮れるか、もしかしたら遺作になるかも、と思うと、「見ないわけにはいかない」のだが、一方で不安もあった。CG合成の寅さんが出て来てあれこれ新しいセリフをしゃべったらイヤだなと……

しかしそれは杞憂であった。事前に盛んに「CG合成の寅さん」と騒いでいたのは、満男が「おじさん」のことを思い出した時に部屋にぼーっと映る姿のことだろう。それ以外の渥美清の出演シーンは、過去の作品からの切り抜き。過去作を知っている人にとっては、そうそう、こういうことがあったねえ、と(満男らとともに)懐かしく思い出せるわけで、それが本作の魅力のひとつ。

「おなじみ」の人たちの「その後」を知るのも興味のひとつ。さくらはメールを使いこなしている。朱美も源公も変わっていない。御前様は二代目になっている。リリーは元気だった。などなど……。ちなみに寅さんは、もう長いこと連絡がないが、一応生きていると思われているようだ。

メインストーリーは満男の話。ただしこちらはあまり面白い話ではない。妻を亡くして六年、思い出すのは泉ちゃん、というのも後ろ向きな話だが、既婚者の泉が満男と再会して満男の実家に行くところまではいいとして(家庭に恵まれなかった泉は、満男の家族がうらやましく、さくらや博を自分の親のように思ったこともあろう)、泊っていったり、自分の親に会うのに満男を同伴したりするのはやり過ぎ。キスをするに至っては、頭のネジが飛んでいるんじゃないか!? と。長年の寅さん映画のファン的には、満男と泉のラブシーンは絶対に見たいところなののかも知れないが。

今年20本目。これが最後だ。

その他

  • 泉は国連の人が日本で講演を行なうのに通訳として同行・来日したが、そのスピーチは最初フランス語か? と思ったがよくよく聞いたら英語だった。なんかフランス語っぽい発音だな、と思ったら、講演者はフランス人らしく、泉とはフランス語で会話をしていた。で、よくよく考えると、後藤久美子ジャン・アレジと結婚して現在はスイスに住んでいる。恐らくフランス語はペラペラなのであろう。ジャストフィットの役柄であった。
  • 後藤久美子が女優業に復帰するのは23年ぶり。これまではもう女優はやらないと言い、オファーを断わり続けていたそうだが、山田監督から「男はつらいよ」の新作に出演してほしい、と依頼された時、自分に断わる権利はないと思ったそうだ。


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(2020/1/18 記)