あののん(能年玲奈)が主役を務めるという。これを見ずして何を見るというのだ!
題名 | 星屑の町 |
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原作・脚本 | 水谷龍二 |
監督 | 杉山泰一 |
出演 | ■山田修とハローナイツ&キティ/小宮孝泰(山田修、リーダー)、大平サブロー(天野真吾、ボーカル)、ラサール石井(市村敏樹、女好き)、有薗芳記(青木五郎)、渡辺哲(込山晃)、でんでん(西一夫)、戸田恵子(キティ岩城) ■その他/のん(久間部愛)、相築あきこ(久間部浩美、スナックのママ・愛の母)、柄本明(久間部六造、愛の祖父)、菅原大吉(山田英二、スナックの常連客)、小日向星一(山田啓太、英二の息子)、他 |
公式サイト | 映画『星屑の町』公式サイト 3月6日全国公開 |
制作 | 日本(2020年3月6日公開) |
時間 | 102分 |
劇場 | 丸の内TOEI(スクリーン2) |
概要
山田修とハローナイツは鳴かず飛ばずの売れないコーラスグループだが、今さら転職もできず、ズブズブとこの家業を続けている。キティ岩城ととある東北の町に巡業で来た時のこと。
久間部愛は歌手になることを夢見て上京したものの、苦労を重ね、故郷に出戻ってきた。母がママを務めるスナックを手伝ったりしているが、歌手になる夢は諦められず、巡業にやってきたハローナイツに弟子入りする決意をする……
感想
細かい事情は知らないがとにかくいろいろあってずっと映画にもテレビにも出演できなかったのんが、今回は何がどうしたのか知らないけど映画に主演できることになった。こんな素晴らしいことがあるか。とにかくこれは見なければと時間を作って駆け付けた。
のん(能年玲奈)の過去の主演映画「ホットロード」と「海月姫」に比べれば格段の差である。前半の愛は「町のかわい子チャン」であり、後半、舞台に立った姿は芸能人ぽくなっており、なかなか見事だった。歌もうまいしギターも意外にうまくて驚いた。のんは歌手としてのステージ活動の経験もあるので、失礼な言い方かも知れないが。とにかく、のんの可愛さと演技力がちゃんと堪能できた。その意味ではいい作品だった。
新コロナウイルスによる自粛と重なってしまい残念だが、その分上映期間は延びるようである。ぜひロングランを、そしてこれが呼び水になって一般娯楽映画に出演できますように。
その他雑感
- 舞台が東北なのは偶然か? あまちゃんの「東北の田舎娘」のイメージを引っ張っているならあまりいいことではないと思う。
- 25年も舞台で上映され続けた作品の映画化だそうだが、ハローナイツの面々の歌が率直に言って下手だ。だからパッとしないのだという設定なのかも知れないが、仮にもプロならもう少しそれらしいところを見せてほしかった。キティ岩城はちゃんと歌手だった。
- ステージでは「恋の季節」「宗右衛門町ブルース」「新宿の女」など、ある年齢以上の人なら耳になじんでいる昭和歌謡が大部分で、オリジナルを何曲か、という構成だが、実際にドサまわりの歌手のステージはこういう選曲なのか? ヒット曲を1~2曲含めるならわかるが、これだったら素人のカラオケ大会と変わらないのではないか。
- ラストの愛はハローナイツと決別して、階段を一段昇ったという設定なのだろうか。それでうまくいく保証はないが。しかしたとえ一時でもテレビに出て、スポットライトを浴びたのだから、よかったというべきだろう。
配役
- 渡辺哲は大河ドラマにもよく出ているし(「藤原家保」では藤原家保、「おんな城主直虎」では大久保忠世)、それ以外のドラマでは「ハロー張りネズミ」(第一話のあかつき園園長)、映画でも「嫌われ松子の一生」(小野寺殺しを追う刑事)などいろいろ出ているが、なんといっても「シン・ゴジラ」での内閣危機管理監役が印象が深い。
- 菅原大吉は「おんな城主直虎」では鈴木重時、「あまちゃん」では渡辺エリの夫、「官僚たちの夏」では通産省公益事業局長、「逃亡者 木島丈一郎」では新潟県警の刑事、映画では「麒麟の翼」「藁の盾」「幕末高校生」などいろいろ出ているが、なんといっても「きのう何食べた?」の本田鉄郎役が印象が深い。
(2020/4/14 記)