いつも手放しで称賛してきたが、今回は指摘させてもらう。時系列がめちゃくちゃだ。
放送日
- 2021年11月12日
出演
- 杉森大祐(菊井三郎、たちばなの従業員)
概要
稔は勇に、安子ちゃんのお父さんからはやれんと言われた、雉真の両親も簡単には許してくれないだろうけど、わかってもらう努力をする、と言い、勇は、甲子園も安子も、どちらも諦めないと答える。
弓岡中学は順調に県予選を勝ち上がり、準決勝まで進出。が、戦況の悪化から、全国規模の大会の禁止令が出た。つまり甲子園大会はなくなってしまったのだ。
砂糖はすべて軍の燃料に使われることになり、手に入らなくなった。たちばなでは、砂糖がなくても、芋や南瓜などからなんとか菓子が作れないか工夫を重ねる。そんな中、菊井のもとに召集令状が届く。
菊井の無事を祈るために神社へ行った安子は勇にばったり会い、甲子園大会がなくなったことを知る。勇は「わしには野球しかなかった。兄さんに勝てるとしたら、野球しか」と吐き出す。
ついに日米開戦。「基礎英語講座」も放送が中止となる……
雑感
見どころも多かったが、時系列はどうなっているのか。
第7回で、きぬちゃんに稔のことを聞かれた安子が、夏休みも帰ってこれなかったし、お正月もどうなることやら……と答えている。だから雑感に、勇の最後に夏はどうなったのか? と書いた。第8回では、金太が「おめえも年が明けりゃあ16」と言っているし、稔と会った安子は稔のマントを羽織らせてもらっていることから、晩秋か初冬なのだと推察される。
だから県大会が開催されるのを見て、秋季大会なのかと思った。が、勇は「最後の夏」だと言っている。そこへ、ドイツがソ連と開戦したことを受けて、甲子園大会が中止になった。ドイツとソ連の開戦は1941年6月。だから、それで夏の大会が中止になるのはわかる。その後、番組上はたいして月日が経ったようには見えない頃、日米が開戦。これはもちろん、1941年12月8日だ。
ドラマは必ずしも時系列に沿って描かなければいけないということはない。過去に遡って描かれたりすることはある。何か月も遡るなら説明がほしいところだが、今回はそれとも違う。秋に、安子の見合い話と稔との逢瀬を描いた後、夏に戻って勇のエピソードを描いた、というわけではない。なぜなら、橘に挨拶に行った(晩秋 or 初冬)稔に、勇は「甲子園は諦めない」と言っているからだ。
それとも、稔と安子が会ったのは、1940年のことで、そのあと一気に半年以上も時間が流れたということだろうか。それもおかしい。安子が稔と出会った夏に、勇は県予選の決勝で敗れ、来年は最後の夏だと、雪辱を期していたはずだからだ。
自分がなにか大きな誤解をしているだろうか。そうであれば、どなたか正しい時系列を教えてほしい。twitterなどでも、この矛盾にほとんど疑問の声があがっていないのは不思議である。