窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(58):るいの決意

第13週「1964-1965」(月)

放送日

  • 2022年1月24日

概要

ジョーに、お前とは終わりだと言われたるいは、そのまま黙って引き返す。竹村家ではるいが買ってきた豆腐を味噌汁の具にして朝ご飯を食べる予定だったが、るいのお鍋はから……

ジョーは奈々と小暮に事情を説明。小暮は驚きつつも、必ず治るから諦めるな、慣れ親しんだ大阪に帰ってきたんだから、と励ます。そして、出入りするバンドマンにも似たような病気の例がないか聞いているというが、ジョーは、自分の病気のことは誰にも知られたくない、ここにいるとみんなに会ってしまうから、しばらく宿に泊まる、るいにも自分から話すと伝え、トランペットを小暮に預ける。

ジョーと奈々は旅館「月浜」へ。ジョーは、自分の穴を埋めるのに大変でしょうから、もう東京へ帰ってくださいというと、奈々は、その代わりのミュージシャンを見つけるために大阪へ来たのだ、それが自分の仕事だという。

奈々が部屋を出て行った直後、トミーが怒鳴り込んで来る。女にうつつを抜かしてすべてを台無しにしたのか? が、ジョーの顔に異変を感じ……

竹村クリーニング店では、平助が、Night & Dayの分が仕上がったから、るいに配達に行くように言うが、和子が「行かんでええ、あんたが代わりに行って」と指示すると、大月くんと何かあったんか? 言いたくなければ言わなくてええけど……と声をかけ、奈々は泣き出す。

Night & Dayでは、トミーがウイスキーの瓶を持ったまま酔っぱらって演奏。酔ってもペットの音はのびやかで色気があるのがトミーの真骨頂。店には奈々がいる。奈々がトミーに、東京へ出てくる気はないかと声をかけると、トミーは怒鳴り出す。お前の親父がジョーを連れて行ったんだから、最後まで面倒を見ろ、病気になったからといってゴミみたいに捨てやがって……

そこには配達に来た平助がいた。慌てて店に取って返し、るいに説明する。るいは店を飛び出し、走った。前髪が風でめくれて傷が見えても気にせず……

ジョーのホテルに飛び込んだるいは、本当のことを言ってほしかったとジョーにすがる。ジョーは、自分といては不幸になると言うが、るいは、なにが幸せかは自分が決める、と言い返す。

後日、店にベリーがやってくる。卒業式に着るスーツのクリーニング依頼だが、るいを心配して様子を見に来たであろうベリーに、るいは、ジョーさんのことを諦めないと決めました、と伝える。

今日の竹村夫妻

「あんた、あとで持って行き」
「うん」(かわいい…)

今日のトミー

「ふざけんなよ、お前の親父がジョーを預かったんやろ、最後まで責任取れや。なんやわけのわからん病気になったからいうて、ゴミみたいに捨てやがって。ジョーは治る、必ず治る、せやから空けとけ。録音スタジオもクラブのスケジュールも。ジョーが帰ってくるまで」

今日のジョーとるい

「るい、僕とおったらあかん、不幸にしたくない」
「勝手に決めんといて。何が私の幸せか、勝手に決めんといて」

雑感

とにかくジョーの嘘がすぐバレてよかった。それだけはよかった。ネットでは神回のように言う人も多かったが、僕には不満もある。

竹村夫妻の愛情

るいが豆腐を買ってこなかった時から、何かあったのは明らかだったが、敢えて聞かなかったのだろう。平助は、何事もなかったように振舞うのが一番と、Night & Day への配達も、これまで通りに指示するが、和子は、配達はしない方がいいと判断し、平助に行けと言う。平助は、なるほどこの場合は和子の判断が正しいと一瞬で悟り、従う。この二人の掛け合いが見事。

二人の愛情あふれる態度に、るいは泣き出す。想像だが、るいは雉真にいた時、家族の前で泣いたことはなかったのではないだろうか。でも、この二人の前では泣けた。こういう人にそばにいてもらえて本当によかった。

それはジョーに対する小暮も同じなのだけれども。

奈々

奈々は、単にジョーを心配して大阪へ来たわけではなく、新人発掘という自分の仕事をするためでもあった。しっかりした人だ。それに、ジョーから「人に知られたくない」と言われたことを守り、ジョーのことは自分から口にしていない。この点も立派だ。しかし、旅館の中にジョーと一緒に入ったのはいただけない。仲居が「ごゆっくり」と言って部屋を出て行ってしまったので、まさかこの二人、一緒に泊まるつもりなのかと焦った。まあ、視聴者をミスリードさせようという演出意図もあったのかも知れないが、ジョーの地元の大阪だ。誰の目があるかわかったものじゃない。旅館の前で別れるべきだった。そもそも、旅館まで一緒に行く必要すらなかったはずだ。

トミー

奈々に怒鳴ったセリフは義侠心を感じさせたが、同時に、ええとこのボンボンなんやなあ、とも思った。病気が治って復活するまで、スタジオもクラブも開けておけ、というのは、トミーにとっては当たり前のことかも知れない。しかし戦災孤児で多くの人の親切で命を繋いできたジョーは、価値のなくなった自分のために誰かがお金や時間を遣うということは耐えられないのではないか。

るい

「勝手に決めんといて。何が私の幸せか、勝手に決めんといて」というセリフは、安子や、千吉など、周囲の人に対し幼かった自分が言いたくて言えなかったことなんだろうなあ、と思う。安子も千吉も、るいのことを大事に考えていたのは間違いないが、「るいのためじゃ」「るいのためにはこれが一番ええんじゃ」と言いつつ、自分には訊いてくれない、自分の言うことには耳を傾けてくれない。そういう思いを、視聴者が知っているだけでも何度もあったから、知らない11年の間には数限りなくあったに違いない。でも、もうそれを口に出して言えるようになった。

額の傷が見えるのも構わず走ったのも、生まれて初めてだったのではないか。

ただ、傷ついているジョーに対して、開口一番「なんで本当のことを言ってくれなかったんですか」と責めるのは悪手だ。ここは「話は聞きました。私はジョーさんについていきます。東京じゃなくても、大阪でもどこでもええんです、ジョーさんと一緒なら」ぐらいのことを言ってほしかったなあ。いきなり責められても答えようがない。だからこの時のるいのセリフは、あまり何度も聞きたくない。これではジョーは救われない。

今回から「ジョーさん」と呼び方が変わった。この三ヵ月(四か月かな)次にジョーと会ったら「ジョーさん」と呼ぼうと、ずっと練習していたのかな。

ベリー

京都に住むベリーがわざわざ大阪のクリーニング店にスーツを依頼するメリットはなく、サッチモを心配してきたことは明らかだが、卒業を前に、自分の本名や住所をるいに教えておきたいという意図があったのではないか――という指摘があった。目からうろこが落ちる思いであった。そのtweetは下記に引用する。

その他

  • 雉真稔を演じた松村北斗もそうだったが、オダギリジョーも眼の光を自分で消すことができる。いったいどうやっているのか?
  • 小暮に話せばすぐるいに伝わると思ったが、「知られたくない」「るいには自分で話す」というセリフを聞いて、なるほどそうやって道をふさぐんだな、と感心した。るいの代わりに配達に来た平助が(盗み聞きではなく)聞いてしまう展開もよかった。
  • トミーが演奏中に離さなかった酒壜は、Wild Turkeyに似ているが「Mild PHEASANT」となっている。pheasantは雉。雉真から取ったスタッフの悪戯かな。

今日のtweet


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