窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(66):サイン会

第14週「1965-1976」(木)

放送日

  • 2022年2月3日

登場人物

  • 浜本広晃(司会者)
  • 幸本澄樹(こうもと・じょうじ:ビリー)

概要

るいは悩んでいました。12月に入ってから急激に回転焼きの売り上げが落ちていたのです。その原因はまさかの……。一方、ひなたは、憧れの桃山剣之介のサイン会に行くため、空き瓶を拾って酒屋さんに持って行ってお金を貯める「空き瓶貯金」を始めました。お年玉も合わせて、ついに目標の1500円を貯めたひなたは映画村へ。そこで待っていたのは、ある運命的な出会いでした。(公式サイトより)

1975年の年末から1976年は「およげ! たいやきくん」の空前のヒットで、たい焼きが爆発的に売れたそうだが、回転焼きが割を食うことになった。

1本10円の空き瓶集めでお金を貯めるのは大変で、ひなたはお年玉が伊藤博文(1000円)であることを期待したが、岩倉具視(500円)だった。たいやきくん騒動がなければ、1000円を奮発したかも知れないが……

一子はるいに、これだけの餡が作れるのだから本格的な和菓子作りを薦める。るいもそれは何度も考えたが、どうしても手を広げる気になれなかった。つましく暮らせればそれでいいのだと思っているのだ。

ひなたはついに1000円を貯めることに成功。お年玉と合わせて1500円を捻出。サイン会に行かれることになった。一恵、小夜子を誘い、三人で太秦に行く。

サイン会は、目の前の舞台で立ち回りを見ることができ、サイン会ではていねいに対応してもらって、ますますモモケンのファンになるひなただった。その帰り道、金髪碧眼の少年とすれ違う……

今日のジョーと森岡新平

「寒なってきたな」
「ほんま。熱いのをキュッと一杯ほしなりますな」
「あんた、下戸やがな」
「お湯のことです」
「お湯かい!」

今日のひなたと桃山剣之介

「あたし、さむらいになりたいんです!」
「志を失わなければ、きっとなれますよ」
「はい!」

雑感

そういえばあの頃の飲み物はみなガラス瓶に入っていて、空き瓶を持って行くとお金をくれるというより、中身を買う時に瓶の補償金を取られる仕組みだった。瓶がお金になることはみんな知っているから、やたらに捨てたりはしない。確かに、空き地の隅などに空き瓶があることはあって、それを酒屋へ持って行って10円20円をせしめたことはあるが、大量に探すのはかなり大変なはず。これで1000円を稼ぐとは、ひなたは相当頑張ったのだろう

桃山剣之介のファンサービスは見事だった。子ども相手にもきちんと敬語を使い、「ファンです」とか「頑張ってください」とかではなく、いきなり「さむらいになりたい」と言われて戸惑ったと思うが、「志を失わなければ、きっとなれます」と最高の言葉を送っている。

それにしてもモモケンのかおつきは、どことなく庶民的というかゆるやかで、初代とは違うなあと思う。銀幕のスターだった初代と、テレビ俳優上がりの二代目という違いだろうか。

るいは、10年回転焼きだけ、それも恐らく餡は小倉餡一本槍で、よくそれだけで家族が生活できたものと感心するが、いくらなんでももう少しラインナップを増やした方がいいのではないかとは思う。赤螺吉兵衛が大量のたい焼きを買っていたのは、多分餡の種類が違うため、全種類買ったからではないか。

菓子職人としての修行をしていないるいに和菓子作りは無理だと僕は思うが、まずは餡の種類を増やす(こしあん、うぐいすあん、カスタードあんなど)。ジュースなどの飲み物を置く。たい焼きは、生地も中身も同じなので、焼く機械をレンタルできれば、すぐに始められるのではないか。twitterを見ると、夏は売り上げが落ちるからかき氷をするといいという意見もあった。なるほど餡子とかき氷は相性がいい。

しかし、安子と二人でおはぎを売っていた時代が、るいにとって一番しあわせだったと刷り込まれているのだとしたら……。

るいは杵太郎も金太も小しずも知らないから、安子がたちばな再建のため自分をないがしろにしたことを、単に商売を拡張しようとしたとしか見ていないのかも知れない。いろいろと誤解が重なっているのは事実だが、あの時代を幸せな時代として記憶しているのだとしたら、それはるいが生まれた時から知っている視聴者にとっては、ずいぶんと嬉しいことなのではないか。

最後にすれ違った少年、目元が安子に似ているんだなあ。安子の子? いま日本に来ている?

なお昨日、サイン会の入場料くらい、お年玉でどうにでもなるのではと書いたが、ひなたはお年玉を両親からしかもらえないようだ。それだと厳しい。ジョーにもるいにも、親も兄弟もいないが、小暮さんや竹村夫妻とはお付き合いがないのだろうか。物語に関係ないから描かないだけで、るいはひなたを連れて時折大阪の竹村夫妻を訪ねていると思ったが……。お正月に行けば、ひなたにお年玉をさぞはずんでくれるだろうに。あんなにお世話になったのに、付き合いがないのは解せない。



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