第16週「1983-1984」(火)
放送日
- 2022年2月22日
概要
条映太秦映画村で働き始めたひなたは、美咲すみれの世話をしたり、撮影の見学をしようと群がるお客さんの対応をしたりと大忙し。大部屋俳優の五十嵐は扮装バイトをしながら虚無蔵に稽古をつけてもらいながら腕を磨いています。そんな時、テレビ時代劇で活躍する桃山剣之介が条映太秦映画村のCMに出演する話が持ち上がり……。(NHKオンデマンドの解説より)
夏休み最終日、相変わらず宿題が終わっていなくて焦るひなたを、一恵と小夜子が手伝っている。そこへ虚無蔵が来店、ひなたにアルバイト料だといって五円玉と五十円玉を紐でつないだものを渡す。ひなたは、時代劇がますます好きになったと伝える。
今回の経験から今後の進む道を決めたひなたは条映映画村を受け、無事に採用され、1984年4月から勤務することになる。直属の上司は榊原。朝ドラは「ロマンス」が始まる。
ある日榊原にお茶を持ってきてと言われて応接室に入ると、そこにいたのは桃山剣之介だった。榊原が新入社員だとひなたを紹介すると、モモケンは「もしかして回転焼き屋のお嬢さん……?」と、覚えていた様子。あの時の子供は、と聞かれ、弟は元気に育っています、モモケンさんにあやかって桃太郎と名付けましたと報告。「いい名前ですね」と言ってもらうが、当の桃太郎は「剣太郎の方がよかった」と不満を漏らす。
モモケンが来たのはCMの打ち合わせのためだった。CM撮影をしていると、突然妙な年寄りが「そんなんじゃおえん」と割って入ってくる。モモケンの親友だというその男の指導で、明るい、軽いミュージカル仕立てのCMに変更させられる。周囲は違和感を持つが、モモケン本人はこの方がいいと思っている様子。
そして、自らの主演映画を作る計画があることを発表。父(初代・桃山剣之介)の遺作である「妖術七変化 隠れ里の決闘」をリメイクするという……。
今日のひなた
「ていうか、なにもん? あのおっちゃん」
ひなた、その人はね……、その人はね……。
雑感
ひなたが条映太秦映画村に勤めるようになったことと、算太(クレジットは「謎の振付師」だったが)の再登場がニュース。
謎のアルバイトを経てようやく道が決まったというが、将来を考える時に、ひなたの興味・関心から、もし映画村に勤められたらそれが一番いいのでは、とは最初から思っていたことで、本人も周囲もそうは考えなかったのか、は不思議。一方、働きたいと思っても、そう簡単に採用してもらえるものか。そのあたりは、もしかしたらこのアルバイトで関係者に名前を知ってもらったために、有利に働いたのかも知れない。もっとも、虚無蔵の狙いは依然として謎。
虚無蔵が支払ったアルバイト料だが、小銭の束で渡すのは、いくら時代劇かぶれだといっても嫌味に近いが、いくらアルバイトだとはいえ、虚無蔵に採用の権限があるとは思えず、影響力があるとしても、採用にも、また給与の支払いにも会社の人事を必ず通すはずで、給与明細も発行されるし領主書のサインも必要だ。これは虚無蔵が勝手に決めたことで、このお金も虚無蔵のポケットマネーなのか?
算太が再登場するなら映画の関係者というのは想像できたので、視聴者としては驚かないが、モモケンと親友とは驚いた。算太が一人で勝手にそう吹聴しているなら信用できないが、当のモモケンが否定しなかったから、それなりに親しい関係ではあるらしい。「だんごちゃん」と呼んでいたことから、モモケンの二代目を襲名するまでは団五郎という名前だった、その当時からの付き合いだから20年以上の交流だと推理していた人がいた(桃山団五郎が二代目桃山剣之介を襲名したのは、ひなたが生まれた1965年4月4日)。
僕はモモケンが黍之丞を演じているから、黍団子→だんごちゃん、なのだと思った。だとすると、そこまで長い付き合いかどうかはわからない。いずれにしても、この世界では、大物というほどではないかも知れないが、それなりの人物ではあるようだ。戦前はともかく、復員後は、たちばなの店はなく、両親も死んだのだから、懐かしさから「たちばな復興」などを謳ったりせず、今度こそ本当に自分の好きなこと、やりたいことをやればよかった。そうすれば、安子やるいを傷つけることもなかった。もっとも、ひなたは生まれなかっただろうが……
なお1984年時点で算太は63歳のはず。63歳なら腰も曲がっていないしもう少し若々しいはずだが、それは令和の基準で、40年前はあんなもんだったか……?