窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(80):一恵ってこんなアホの子やった?

第16週「1983-1984」(水)

放送日

  • 2022年2月23日

概要

再映画化することになった「妖術七変化! 隠れ里の決闘」の敵役をオーディションで選ぶという話が発表され、ひなたや五十嵐は驚きます。女優の役はないのかと不機嫌になったすみれに付き合わされたひなたは、時代劇スターのモモケンと大部屋俳優の虚無蔵の因縁についてのうわさ話を聞かされるのですが……。(NHKオンデマンドの解説より)

一恵は短大生になっていた。ベリーが折れたか、もともと本気で反対していたわけじゃなかったか。その一恵は、親の決めた道を進みたくない、短大生でいる間にいろいろやってみたいからと、映画村でのアルバイトの斡旋をひなたに頼む。ひなたは榊原に紹介、榊原は一恵の父が日本舞踊の師匠で母が茶道の先生という経歴を見て、問題ないからすぐに人事に話をするという。

そこへ美咲すみれがやってきて、ヒロインのオーディションがなぜないのか榊原を責める。機嫌を損ねたすみればひなたに今晩付き合うよう命じ、蕎麦屋「うちいり」でうだをあげる。初代モモケンはよかったが二代目はダメだと。

ちょうど隣席には赤螺一家がいた。すみれにサインを求める吉之丞。吉右衛門とその母は、吉兵衛が生まれた日のことを回想する。吉兵衛が産婆を呼びに行っている間にラジオが盗まれたとか……。その和菓子屋の店の名も、盗んだ子の名も、もう覚えていなかった。

五十嵐はオーディションで左近役を勝ち取りたいと、虚無蔵に個人指導をお願いするが、断わられる。虚無蔵は、自分もオーディションを受けるというのだ。

雑感

一恵がすみれを見た時に、ひなたが小声で「美咲すみれさん」と教えると、大きな声で「美咲すみれ!?」と叫ぶと、「て誰?」と言うが、カムカムを4ヵ月くらい見続けてきた中で最も失礼なセリフではないだろうか。本人を目の前に「美咲すみれ!?」と呼び捨てで呼ぶこと自体あり得ないのに、さらに、役者さんだろう本人に聞こえる声で「誰?」とは。あほの子ひなたは、無自覚にこれまであちこちで失礼な振る舞いをしてきたが、ここまで失礼なことはしたことがないし、まして頭がよく躾けの行き届いているはずの一恵が、こんな態度を取るとはいささか信じがたい。すみれが機嫌を損ねたのは、オーディションのことだけでなく、一恵の物言いもあったはずである。

大事な女優にこんな物言いをする人を映画村が雇うはずがなく、「人事に話をしておく」という榊原の話は。この瞬間になくなったと思うが……。

女優のオーディションがないというが、ひなたも受けたミス条映コンテストが、いわばこの映画のヒロインを選ぶものでもあったわけで、改めてのオーディションはなくても文句は言えないかな。

やけ酒をするのに未成年のひなたを誘うのは、他に付き合ってくれる人がいないから? しかし、前回のひなたの失礼な行為については不問にしたというより、ひなたなりに作品をよくしようと思ってのことだとむしろ可愛く思ってくれたのかな。今回も、管を巻くすみれに「おゆみちゃんが黍之丞の悪口を言うのは耐えられないからやめてくれ」と割とはっきり言っていた。陰口ではなくはっきりものを言う人間が新鮮なのか?

赤螺一家の行動はコメディだが、たちばなや安子のことを殊更に覚えていないのはよかった。まあ「たちばな」と言われても、ひなたにはわからないだろうが。

ベリーが日本舞踊の家の人とお見合いをした、という話と、結婚後も野田姓を名乗っているところから、一恵の父は師匠を継がなかった(から、お茶の家元を継いだ一子の姓になった)と思っていたが、父も師匠なのはちょっと驚いた。もしかして「師匠」は単なる(柔剣道でいうところの)高段者を表わす言葉なのか?


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