窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(105):

第22週「2001-2003」(水)

放送日

  • 2022年3月30日

概要

ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」のメインキャラクターに推薦したい、という度重なるオファーを、虚無蔵が断り続けていることを知り、ひなたは唖然とします。必死の説得もむなしく、その場を立ち去ろうとする虚無蔵。すると、その前に五十嵐が立ちはだかって……(NHKオンデマンドの解説より)

NHKオンデマンドの解説」に記載されているのは104回の終盤の部分だが……

五十嵐は「虚無蔵さんこそサムライです」と必死の説得。ひなたはそれをアニー、ジョージのために即座に英訳。途中から五十嵐と並び「私もめっちゃそう思います! I totally agree!」と日本語と英語で叫ぶ。その様子を聞いていたアニーが道場の床に正座すると、そのまま頭を下げた。

さしもの虚無蔵もついに殺陣の模範演技を見せることを承諾。五十嵐を相手に、スタッフの前で立ち回りを披露する。殺陣の内容は「妖術七変化 隠れ里の決闘」の黍之丞と左近のもので、五十嵐が黍之丞役だ。オーディションの時は虚無蔵に引き立ててもらった五十嵐だが、今回は互角に立ち回れている……?

終わったあと、五十嵐はひなたを飲みに誘う。二人だけで話をしよう、と。迷いつつも、おしゃれをして出かけたひなたは、五十嵐から感謝の言葉と、デイジーと結婚する予定であることを聞かされる……

雑感

五十嵐文四郎

成長したかに見えた五十嵐だが、何も変わっていなかったことを見せつけた。常に自分が中心で、相手の気持ちを全然考えていないところ。元カノに結婚の報告をするなら、わざわざ飲みに誘う(それもおしゃれバーに)必要はなかったんじゃないのか。あるいは、二人だけである必要はなかったんじゃないのか。この逢瀬、恐らくデイジーは知らないだろう。

「デイジーさんが待っているから、早く帰ってあげな」と言って先に帰したのは、「私の前からさっさと姿を消せと言っているんだよコノヤロウ」という意味でよろしい? 複雑な心境を顔に出さず、笑顔で別れ、マティーニを呷って「これも人生」と呟くひなたは最高にカッコよかった。恐らく後日、ひなたから話を聞いたすみれさんが、「五十嵐何やってんのよ、ちょっとここへ連れて来なさいよっ!」とわれわれに代わって怒りを爆発させてくれるだろう。

男としては少々情けない五十嵐であるが、虚無蔵を説得したところは偉かった(映画スタッフとしての立場もあるのだろうけど)。そして、ひなたが英訳を始めたとみるや、ひなたがしゃべり終わるまで次のセリフを言うのを待つなど、語らずとも息が合っているところを見せてくれた。さらに一緒になって説得を始めるところは、共鳴しているなあ、と思った。るいとジョーの共鳴が昭和的なら、ひなたと五十嵐の共鳴は平成的というか。恋愛感情がなくても共鳴は起きるのだ。この二人はそれでいいじゃないか。

アニー・ヒラカワ

五十嵐と虚無蔵のやり取りは、通訳なしでも理解しているように見えた。また、その後の正座してのお辞儀は見事なものであり、虚無蔵いわく「メリケン育ちとは信じがたい」。また、差し入れの回転焼きの「大月」のロゴを見て、ミス大月の家業なの? と考えるなど、漢字も読めているようだ。さらに回転焼きを食べる時、普通にかぶりつくのではなく、まず半分に割って餡をしげしげ眺め、小豆の粒をそっと口に入れる様子は、餡子の品評をしているようだ……

視聴者を惑わせるためにわざとこうした行為をさせているのであり、アニーが安子ではあり得ないと思っているが、それでは誰なのかと言われてもわからない。ここまでアニーを描いているのだから、それなりの人物でなければ納得できない。ジョーの母親説もあるが、餡子に対する思い入れの説明がつかない……



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