窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(058)

第12週「翼を休める島」(水)

放送日

  • 2022年12月21日

概要

信吾ら役場が始めた五島への留学体験の試みで祥子の家に滞在する森重親子と、舞は対面する。舞たちは息子の朝陽君に優しく接するが、彼は気難しい態度をとり部屋から飛び出してしまう。困惑する舞や祥子に信吾は、朝陽は都会の学校で馴染めず、母親の美知留が彼の環境を変えようと五島に来たと説明する。(NHKオンデマンドの解説より)

浦信吾らは、都会で不登校の子などを島で預かる施策を進めようとしており、そのテストケースとして森重朝陽を島の小学校で受け入れることにした。祥子がこの親子を下宿させることになった、ということだ。

到着早々、朝陽は「お菓子が食べたい」と言い、かんころ餅(注、長崎名物のお菓子)を出すと「こんなのお菓子じゃない」と言い、浦が小学校の説明を始めると「うるさい」と言って席を立ってしまう。翌朝、美知留が朝陽を学校に連れていこうとしても「行きたくない」の一点張り。

朝陽は縁側で大きな紙(布?)を広げ、そこに赤い木の実をびっしり並べる作業を延々と続けている。木の実がなくなった時、舞は新たな木の実を渡す。そしてその横で離陸までのイメージトレーニングに勤しむ。そうしたら、途中から舞が言うべき言葉を朝日が喋り出す。前日に舞が話すのを聞いて一発で暗記してしまったのだ……。

そこへ貴司が顔を出す。

今日の舞

「飛行機とおんなじやで。後ろ向きには進めへん」

今日の貴司

屋上を
めぐり続ける
伝書鳩
飛べるよ高く
浮雲よりも(縦読みで「おめでとう」)

感想

かんころ餅は、都会の子のイメージする「お菓子」じゃなかろ……と思ったが、その後の朝陽の態度を見ていると、小林まことの「走れ! タッくん」に登場するタッくんそっくり。要は自閉の子っぽい。それなら専門家の指導が必要で、素人が「なじめない」「気難しい」「環境を変える」などと言っているのはお互いに不幸ではないだろうか……

舞は、イメージトレーニングを自分の部屋でやってもいいが、わざと朝陽のそばでやる。といって、朝陽のやっているのを見て、「それ何?」とか「一緒にやろう」とかうるさく絡まない。そっと見ていて、ああ木の実が足りなくなるな、と思ったらそっと追加を用意してやる。この距離感がいい。興味の幅がとても狭いという朝陽が、舞に興味を持ったのも、そのあたりではないだろうか。

とはいえ、図鑑を日がな眺めてそれを片っ端から覚えているとしたら、それは凄いことだ。親としてはそんなことより友だちと遊んでほしいというが、すごいことをやっているのに、親の好みに合わないからと言って褒めてもらえない、認めてもらえないのは、悠人と重なる。

柏木から電話があった。仲良く話をするが、どう見ても舞は由良先輩や貴司と話をしている時の方が楽しそうだ。そもそも柏木の「舞を好き」という「好き」ってどういうことなんだろう?
(2022-12-22 記)


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