第20週「伝えたい思い」(火)
放送日
- 2023年02月14日
概要
舞は久留美との夕食の席で、秋月史子から言われたことを打ち明けると、貴司に対してできることを探すように、それが舞だと励まされる。一方、貴司は、秋月史子が見守る中、出版社の編集者・リュー北條に新たに作った10首の短歌を見せる。しかし、リュー北條から返ってきたのは、これでは駄目だという厳しい批評だった。(NHKオンデマンドの解説より)
ダメだと言って席を立ったリューだが、夜に「もう一度話そう」と再訪して来た。歌集を出すということは、貴司のことを知らない多くの人に歌を届けること。だから、彼らに届く歌を作らないとダメなんだと。これまでの300首はいい。あと10首、人目を惹く歌がほしいのだと説く。
リューの言に従ってやってみる決意をした貴司に、リューは、相聞歌を作れと言う……
感想
リューは、これまでの言動から、歌のことがよくわかっておらず、ただ売れる本を作ることだけを考えていたのかなと思っていたが、今日の説明で、そんなことはなく、ちゃんと貴司の歌も理解した上で、より多くの人にその歌を届ける(=本を売る)ことを考えていたことがわかった。自分もそうだが、多くの視聴者が、今日を境にリューへの評価を変えただろう。
惜しむらくは、それであれば「写真集を出そう」のセリフは余計だったのではないか。複数の脚本家体制の弊害が出たように思う。
以前は、世の中に対する恨みつらみを歌に込めて、と貴司に示唆したが、貴司がそういう歌は書けないとわかると、相聞歌にと方針を変更。彼もいろいろ考えているのだ。
これなら、これまで舞に贈った歌を集めれば10首ぐらいあるのでは、という声があったが、舞に贈った歌は、自分の宝刀の気持ちが伝わらないよう、何重にも覆いをかけた歌だ。案の定、舞は気づいていない。リューが期待しているのは家に秘した内面を解放した歌だから、貴司としてもだっぷする覚悟で臨まなければならないだろう。
今回に関しては俵万智さんの考察が素晴らしいと思った。さすがは本職の歌人だ。
リュー北條、今日はいい仕事した!編集者の無茶ぶりで、殻をやぶれることはある。啐啄(そったく)という語を思う。相聞歌が生まれたら、読解力のある史子に真っ先に(舞のことと)気づいてほしい 笑 #舞いあがれ
— 俵万智 (@tawara_machi) February 13, 2023
なるほど、当然史子は読むだろうし、そうすれば貴司の舞への強い気持ちに気づくだろう。その後どういう行動を取るか。
新聞記者の御園の存在も不気味。山口紗弥加が演じているからには意味があるのだろう。今のところ厭な人ではないが。