窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(025)

第5週「ほんまの家族や」(金)

放送日

  • 2023年11月3日

登場人物

  • 上杉祥三(大和礼子の父)
  • 辻葉子(大和礼子の母)←クレジットなし

概要

スズ子たちは、大和礼子が出産後に病院でなくなったと知らされる。スズ子はお別れの会で、大和が梅丸少女歌劇団に入団以来ずっと会っていなかった、大和の両親と出会う。一方、スズ子は東京行きの件でツヤと相変わらずわだかまりを抱えていた。ツヤは、スズ子が東京に行ってしまったら帰ってこなくなるのではないかと心配しており、梅吉にどうするべきなのか相談する。(NHKオンデマンドの解説より)

葬儀(お別れ会)は梅丸株式会社の主催で行なわれた。そこへ礼子の両親がやってくる。礼子の母は赤ん坊に微笑みかけ「礼子によう似てる」と言うが、父は「こんなところに来なければ、礼子は生きていた」などと悪態をつき、妻の手を引いてその場を去る。

一足先に葬儀から帰ったツヤは梅吉に思いを打ち明ける。梅吉は、「あいつは大丈夫や、何があったかてお前のことを嫌いにならへん。それにどんなに反対しても、あいつは東京へ行くで。そう育てたのは、あんたやないか」と声をかける。

帰宅したスズ子はツヤに「東京へ行きたい。認めてください」と頭を下げる。ツヤは「行って来なはれ」と答える。

今日の股野と橘パイセン

「医者にな、出産は危ない言われてたんや。腎臓悪くしとったから。けど、どうしても子供ほしかったみたいで……」
「きっと歌と踊りの天才になるわ、あんた」

今日の花田家

ツヤ「せやけど、つらなったら、すぐもどってくるんやで。すぐ帰れる場所があるいうことを、忘れたらアカンで」
鈴子「当たり前や。わて、こう見えて意外と根性ないねんで」
梅吉「根性ないんはわしに似たんや」
六郎「わいも根性ないで」

感想

葬儀が梅丸の主催で行なわれたのは意外。退団した(しかもトラブルを起こして辞めさせた)団員の葬儀を社で行なうか? 経営上礼子には詰め腹を切らせたが、大熊社長が礼子のことを娘のように可愛がっていたのは変わらなかったから、としたら、それこそ公私混同だ。今後のことを考えても、悪しき前例は作れないはず。思うに、あの時は責任を取る形で退団させたが、ほとぼりが覚めた頃、会社側にも責任があったと和解し、復帰させた。とはいえ踊るわけにはいかないが、なんらかの形で梅丸の人間にはなっていたのではないかと思う。

礼子の父の「こんなところ」呼ばわりは、「こんなところ」にいた人間にとっては許せることではない。礼子は、父親の許にいるより梅丸歌劇団で踊ることが人生だと自分で判断し、燃焼し尽くしたのだ。とはいえ、そういう判断ができたのは、幼い頃からバレエを習わせてもらえたおかげ。だから、やっぱり礼子が礼子だったのは両親のおかげでもあるのだ。

スズ子が礼子の父に声をかけたのは、それに気づいたからだし、だから今の自分は、やはり梅吉やツヤに作られたものなのだ。親の反対を押し切って上京すると、礼子のように今生の別れになってしまうかも知れない。そうした思いから、改めて上京の許しを得るべくツヤに頭を下げたのだろう。

スズ子と秋山の卒業公演はこれまでのものとはガラリと変わった演目。桜色の傘を皆がくるくる回すのが見事。これはOSKの有名な演目でもあるようだ。こうした本格のレビューショーが合間合間に挟まれるのが素晴らしいところだ。曲は「桜咲く国」。



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