窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ブギウギ」(116)

第24週「ものごっついええ子や」(金)

放送日

  • 2024年3月15日

概要

誘拐犯が捕まってから、愛子は三日間も学校を休んでいた。スズ子は、学校に行くようにと言うが、愛子は友だちになった一がいなければ学校には行きたくないという。大野は、そんな愛子を少しそっとしておくようにと言う。スズ子は、羽鳥善一と麻里に相談しに行く。麻里に背中を押されたスズ子は、続けて刑事の高橋を訪ね、あるお願いをする。(NHKオンデマンドの解説より)

高橋に頼んだ「お願い」とは一を家に連れてきてほしいというもので、それは高橋の計らいで実現した。

「あの日行かれなくてごめん……」
「もういいよ、4時まで待ってたんだけどな」

ようやくわだかまりの解けた愛子と一はしばしゲームなどに興じる。帰り際、「またきてね」「おじさん、また連れてきて」「それはできない。おじさんは今日だけだ。次は、お父さんと一緒に来るんだ」

感想

愛子は一に会えたし、そのため笑顔が戻り、一応の決着を見た。が、スッキリしない。

愛子は、一くんのいない学校には行きたくない、という。あの日、一との約束を破ったことで、一を傷つけたのではないかということ、そして一にもう会えないことを気にしているのだ。そんな愛子にスズ子はしゃあしゃあと「真面目に学校に通っとったら、お友だちなんてまたなんぼでもできる」と暴言を吐く。つまり、「一くんのことなんか、どうでもええやないか」と言っているのだ。

愛助が死んだ時、もし誰かに、死んでしまったもんはしょうがおまへん、男なんか世間にいくらでもいまっせ、次を探しましょ、と言われたらどうだろうか。「ワテの夫は愛助さんだけだす!」と思うのではないか。なぜ、一と友だちになりたかった、という愛子の気持ちに寄り添おうとしないのだろう。また、大野はなぜそれをはっきりと指摘しないのだろう。

一の正体は判明したのだから、二人を引き合わせる手立てはいくらでもある。会わせてやれよ、と思ったら、ようやくスズ子の願いで実現。ほっとした。が、スズ子が「一くんを思う愛子の気持ち」に気付いたのだとしたら、そこをもう少しはっきりさせてほしかった。

一は別れ際にスズ子に向かって、「おばちゃん、有名人の子というのは大変らしいぜ、それが理由でいじめられたりするし」と言った。はじめ、よくぞ言った! と喝采を叫んだが、スズ子にどこまで通じたか。

母親が原因でいじめられる ➡ それを言えば母が傷つくと思って愛子は黙って耐えていた ➡ そんな事情も知らず、学校に行きたがらないのはまるで愛子が悪いと言わんばかりの態度で、友だちを作るよう強要した

スズ子が愛子に謝罪して手打ちとなったが、これを理解してのことかどうかは、怪しい。率直に言えば、わかっていないだろうと思う。

スズ子さん、愛子はあんたの思っているよりはるかにええ子でっせ。



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