第13週「女房は掃きだめから拾え?」(水)
放送日
- 2024年6月26日
登場人物
- 清水伸(根本、調停委員)
- 福田温子(長峰、調停委員)
概要
大庭家の問題は解決せず、家裁に調停の申し立てが行われた。梅子は息子たちが均等に分けることを望むが、長男・徹太は他の兄弟に相続放棄を迫る。当初は徹太の相続に同意していた常だったが、長男夫婦の世話にはなりたくない、三男・光三郎により多く相続してほしいと言いだす。裁判官としてしか関われない寅子は梅子を案じていた。(NHKオンデマンドの解説より)
徹太は、自分が全財産を相続する代わりに母や祖母の面倒を見ると言う。が、常は、何かというと口応えばかりする長男の嫁には世話されたくない、世話になるなら三男がいいという。三男には梅子がついてくるだろうから。光三郎は、「お母さんを虐めないなら」という条件を出す。お母さんにはこれ以上くらい思いをさせたくないのだと言う。常は「私は梅子さんを虐めた覚えなんか」と抵抗するが、最後は「はい」と光三郎に従う。
調停員は母親想いの三男に打たれ、寅子は、あの子をここまで育てた梅子さんに心の中で拍手を送る。
感想
梅子と徹次、光三郎が相続を辞退しない以上、法律に則って遺産を分割してください、で終わりではないのかな? なんでこんなに延々と調停をしているのだろう、とちょっと不思議。
光三郎君が母親想いなのはその通りかも知れないが、手放しで称賛されることだろうか。光三郎は、常、梅子、自分の三人で暮らし、常の世話は梅子にやらせるつもり満々である。母親だから、そういうものだと思っているのだろう。梅子は常とはもう一緒に暮らしたくないはずだが、それはわかっていない。
徹次は飲んだくれの日々で、梅子が仕事を紹介しても「足が痛えんだよ」と言うばかりで働く気はない。だから遺産が入らないと困るのだが、仮に遺産が入ったところで、若い徹次が死ぬまで安寧に暮らすことはできないだろう。梅子は「戦争でこじらせた」と言うが、戦争が彼に与えたのは足の傷だけではないような気がする。
子どもの時に母が光三郎だけ連れて逃げ、自分を連れて行かなかったことにも不満をぶつけていた。光三郎は、あの時一緒に行くのを拒否したのは徹次だろうと言うが、徹次は、そもそも自分らを置いて逃げ出すことがあり得ないと言う。子どもにとってはその通りかも知れないが、梅子を追い出そうとしたのは徹男である。そのことをどう思っているのか……。梅子が謝ることではない。
直人は、花江が道夫に恋をしているという。「おれにはわかる」。道夫が来ると楽しそうだから。花江にとって、家族や近所の人くらいしか付き合いのない中で、外の世界から人がやって来るのは、楽しいことだろう。自分を慕ってくれるならなおさら。花江はもともと恋愛脳だから、ちょっとした疑似恋愛気分でそれを楽しんでいるということはあろう。ただ現実に、二人が交際することがあるかとえば、年齢的にも素性的にもあり得ないと思うが。ただはるの死後、家庭の一切を花江が請負い、過労気味なのが気になるところだ。